2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Protein community: organization and maintenance of protein functions |
Project/Area Number |
19058009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 和俊 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70182194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 博幸 京都大学, ウイルス研究所, 准教授 (10243271)
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Keywords | 小胞体 / 転写誘導 / 分子シャペロン / タンパク質分解 / メダカ / 初期発生 / 脊索 / ニワトリ細胞 |
Research Abstract |
昨年度までに、主要な小胞体ストレス応答発動因子のシングルノックアウトはメダカの発生、成長に影響を及ぼさないがぐATF6αとATF6βのダブルノックアウトは、マウスの場合と同様に、胚生致死となることを明らかにしていた。やはり昨年度作出したGFPがBipプロモーターの制御下で発現する、トランスジェニックメダカを用いて、今年度、メダカの初期発、生過程を観察し、脳耳胞、脊索で生理的な小胞体ストレスが生じていて、ATF6αとATF6βが活性化され小胞体シャペロンが転写誘導されていることを見いだした。ATF6αとATF6βのダブルノックアウトの胚では、BiP、GRP94、Calreticulinsの発現量が上昇しておらず、小胞体ストレスが亢進していた。その結果、脊索の発達が阻害されており、尾の先まで到達していなかった。Bipを木活性化させると考えられるS38P変異を持つメダカも胚性致死となり、同様に脊索の発達が阻害されていた。これら、ダブルノックアウトメダカとS38P変異メダカの1細胞期の胚に、試験管内で転写したBipのmRNAをマイクロインジェクションしたところ、脊索の発違が部分的に回復した。以上の結果から小胞体シャペロンBipの機能だけでなく、生理的に生ずる小胞体ストレスに対して小胞体シャペロンを転写誘導することによって適切に対応することがメダカの発生に必須であると結論した。 また、遺伝子組み換え効率が例外的に高いニワトリDT40細胞を用勢で酵母でも脊椎動物でも1つしか存在しないHRD3/SEL1Lを破壊したとこち、可溶性の構造異常タンパク質の分解は阻害されるが、構造異常膜タンパク質の分解には影響を与えないことを見いだした。これらは、哺乳動物細胞におけるノックダウン時の表現系と同じであり、DT40細胞が小胞体の秩序制御機構解明において極めて有効であることを示すことができた。
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Research Products
(5 results)