2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
19059002
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
樗木 俊聡 Akita University, 医学部, 教授 (50233200)
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Keywords | 常在菌 / IgA / 粘模免疫 / TLR / I型IFN / TRAIL / DCアポトーシス |
Research Abstract |
本年度は、主として以下の2つのテーマに関する成果を挙げることができた。 1)粘膜固有樹状細胞によるIgA生産調節機構 腸管粘膜は外来抗原(病原微生物・常在菌・食物)と自己抗原(アポトーシスを起した上皮細胞など)が混在する場であり、それら抗原を識別して提示する機構の存在が予測されるが詳細は不明である。すべての抗体生産細胞(以下、形質細胞)に占めるIgA生産形質細胞の割合は粘膜関連りンパ組織(MALT)では80%にも及ぶことが知られている。しかしながら、「なぜIgAに偏向した抗体生産がMALTで効率良く起こるのか?」は不明であった。我々は、MALTにおいて、TNF-α/iNOs生産樹状細胞サブセット(Tip-DC)が常在菌叢の刺激により分化誘導され、同細胞の生産する一酸化窒素がB細胞にTGF-β受容体を誘導することによって、IgAに偏向した抗体生産環境を構築していることを明らかにした(Nature448,929-933(2007)。 2)外来抗原による樹状細胞アポトーシス誘導機構 TLR7/9リガンド投与やインフルエンザウィルス感染に際し、pDCから生産されるI型IFNによりDC上にアポトーシス関連分子TRAILが誘導され、同TRAIL依存性にDCのアポトーシスが起こることが明らかになった。またTrail^<-/->マウスは、インフルエンザウィルス感染により劇症型肺炎を起し早期に死亡したことから、TRAIL依存性のDCアポトーシスば免疫系の過剰な活性化を負に制御していることが明らかになった(投稿中)。今後は、同機構の抗原譲渡における役割を外来抗原および自己抗原の系で明らかにしていきたい。
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Research Products
(24 results)