2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
19059002
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
樗木 俊聡 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50233200)
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Keywords | DC / 免疫寛容 / 血球貪食 / IL-10 / pDC / DC前駆細胞 |
Research Abstract |
本年度も樹状細胞(DC)による免疫寛容および賦活誘導機構を、さまざまな指標から明らかにすることを目的として研究を遂行し、以下の成果を得た。 1)DCによる新規免疫寛容誘導機構 昨年度、炎症やウィルス感染などに対する免疫応答に伴い、単球由来のDCが自己血球を貪食する現象を見出し、同血球貪食の分子メカニズムの詳細を明らかにした。今年度は、さらに血球貪食の免疫学的意義を明らかにすることを目的とした。その結果、重篤なウィルス感染に伴い血球貪食依存性にIL-10が産生されること、主なIL-10産生細胞が血球貪食を行っているDCであることが明らかになった。重要なことに、フォスファチジルセリン受容体をブロックする抗体によりDCによる血球貪食を抑制すると、重篤なウィルス感染に伴う免疫反応の過剰な活性化が起こり、肝を含む組織傷害により半数以上の個体が死亡した。同様の結果は、血球貪食DCのみがIL-10を産生できないマウス(Cd11c-Cre/Il10^<fl/fl>)でも観察された。以上より、重篤な炎症や感染時に観られるDCによる血球貪食は、過剰な免疫反応を抑制し個体の死を回避するために重要であると結論した(投稿中)。 2)新規DC前駆細胞の同定 卓越したpDC分化能をもつDC前駆細胞の同定に成功した。さらに、新規DC前駆細胞はpDC分化に必須の転写因子E2-2を高発現しており、その分化系譜において、過去に報告されているMDPやCDPの下流ではなく、MPPから直接分化誘導されることも判明した(投稿中)。今後、DC分化系譜が書き換えられ、DC前駆細胞を用いた疾患予防や治療への応用が期待される。
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Research Products
(33 results)