2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
19059005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 一彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80191394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 直人 東北大学, 医学系研究科, 教授 (60291267)
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Keywords | 遺伝子 / 生体分子 / 病理学 / 免疫学 / 臨床 |
Research Abstract |
免疫系の自己識別機構の失調や破綻による自己免疫疾患の発症機構を、特にT細胞の抗原特異的、抗原非特異的な観点から解明し、最終的には新しい自己免疫疾患の制御法を提唱することを目的として研究を推進した。 研究代表者らは、抗原特異的なT細胞免疫応答に伴い抗原特異性の異なるT細胞が活性化するメカニズムの存在を示した。すなわち、抗原特異性の明らかな2種類のCD4陽性T細胞を用いたモデル系での解析により、抗原Xが大量に存在しX特異的T細胞が十分に増殖する条件下で、ごく少量しか存在しない抗原Yに依存してY特異的なT細胞が活性化する現象を観察した。これは通常の免疫に要するより少量の抗原に対して自己反応性T細胞が活性化されるメカニズムの存在を示唆している。この現象は従来から報告されている抗原非特異的でサイトカインに依存するT細胞活性化、すなわちbystander activationとは異なると考えられたため、「拡張抗原提示モデル」と命名した。この条件下では抗原提示細胞上のMHCクラスII分子の0.2%程度を占める少量の抗原提示により拡張抗原提示の惹起が可能であり、この抗原提示量は報告されている生理的な自己抗原提示量の範囲に相当していることを明らかにした。このような現象は、外来抗原に対する免疫応答時に自己抗原に対するトレンランスが破綻するメカニズムや、自己免疫病態でみられるepitope spreadingの細胞レベルでの基盤となっている可能性が考えられる。これらの研究を発展させ、拡張抗原提示に寄与する共刺激分子や表現型につき解析している。大量に存在する抗原に反応するT細胞と拡張抗原提示により活性化されるT細胞は、その表現型と産生するサイトカインが異なることを見出した。 研究分担者は、OX40シグナルが制御性T細胞の分化抑制と機能破綻に関与する一方,記憶T細胞の産生維持に重要であることを明らかにし,自己免疫疾患の発症と再発の分子機構の一部を解明した。一方,腸管のCD70(CD27リガンド)陽性樹状細胞がTh17細胞の分化に必須であることを示し,CD27シグナルの腸管免疫への関与の可能性を見いだした。
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[Journal Article] PADI4 polymorphism predisposes male smokers to rheumatoid arthritis.2011
Author(s)
Kochi Y, Thabet MM, Suzuki A, Okada Y, Daha NA, Toes REM, Huizinga TWJ, Myouzen K, Kubo M, Yamada R, Nakamura Y, Yamamoto K.
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Journal Title
Ann Rheum Dis
Volume: 70
Pages: 512-515
Peer Reviewed
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[Journal Article] A regulatory variant in CCR6 is associated with rheumatoid arthritis susceptibility.2010
Author(s)
Kochi Y, Okada Y, Suzuki A, Ikari K, Terao C, Takahashi A, Yamazaki K, Hosono N, Myouzen K, Tsunoda T, Kamatani N, Furuichi T, Ikegawa S, Ohmura K, Mimori T, Matsuda F, Iwamoto T, Momohara S, Yamanaka H, Yamada R, Kubo M, Nakamura Y, Yamamoto K.
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Journal Title
Nat Genet.
Volume: 42
Pages: 515-519
Peer Reviewed
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