2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
19059011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹田 潔 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (20309446)
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Keywords | 自然免疫 / マクロファージ / IkBz / クロマチン / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
これまでにIkBNSの機能解析から、TLR刺激によるNF-kB依存性の遺伝子発現には早期誘導型と遅期誘導型があり、IkBNSは遅期誘導型の遺伝子発現をNF-kBの活性を制御することにより抑制していることを見出していた。そこで、自然免疫系の活性制御機構をさらに解析するため、TLR刺激によるNF-kB依存性の遺伝子発現に早期誘導型と遅期誘導型に分かれる分子機構を解析した。その結果、早期誘導型遺伝子プロモーターは、クロマチン構造が常に開いた状況にあり、その結果転写制御因子がアクセスし易く、遺伝子発現が早期に誘導されることが明らかになった。一方、遅期誘導型遺伝子プロモーターは、クロマチン構造が閉じており、TLR刺激によって構造変換を受け、転写制御因子がアクセスされやすくなること、そしてこのことが、遺伝子発現が遅れるメカニズムであることが明らかになった。さらに、遅期誘導型遺伝子プロモーターがTLR刺激依存性にクロマチン構造変換を受けるメカニズムを解析した。IkBNSのファミリー分子IkBzは、マクロファージでTLR刺激により早期誘導型遺伝子として誘導される。IkBzノックアウトマウス由来のマクロファージは、TLR刺激による遅期誘導型遺伝子の誘導がほとんど見られない。逆に、IkBzをマクロファージに恒常的に発現させておくと、遅期誘導型遺伝子の誘導が早まった。さらに、IkBzノックアウトマウス由来のマクロファージでは、TLR刺激による遅期誘導型遺伝子プロモーターのhistone H3のtrimethylation(Me3-H3K4:クロマチン構造が開いていることの一つの指標)が誘導されず、逆にIkBzを恒常的に発現させたマクロファージでは、Me3-H3K4が早く誘導された。これらの結果から、IkBzが遅期誘導型遺伝子プロモーターのクロマチン構造変換に関与していることが明らかになった。
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Research Products
(16 results)