2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
19059013
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
斉藤 隆 The Institute of Physical and Chemical Research, 免疫シグナル研究グループ, グループディレクター (50205655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒崎 知博 独立行政法人理化学研究所, 分化制御研究グループ, グループディレクター (50178125)
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Keywords | シグナル伝達 / 抗原受容体 / リンパ球活性化 / 自己識別 / 自己反応性制御 |
Research Abstract |
免疫系における自己識別・反応性を担うシグナル伝達と制御機構を明らかにするため、T細胞の自己成分認識と自己反応性による制御、B細胞における自己反応性の抑制と細胞生存のためのシグナル制御の分子機構、を解析している。1.自己抗原認識のT細胞の活性化への影響を調べるために、外来抗原(チトクロムc)および数種の自己抗原ペプチドを、I-Eβ鎖に直接結合させた単一ペプチド・MHC分子をGPI結合型として作製し、細胞に遺伝子導入して、MHC/ペプチド-GPIの単一分子を単離した。これらの単一分子のT細胞による認識・活性化能を、これらを含むplanar membraneでコートしたビーズを用いて解析した。その結果、外来ペプチドのMHC/ペプチド-GPI単一分子はフリーペプチド同様に活性のあることが判明した。また自己ペプチド単一分子は、もはや外来ペプチドには反応できないことが判明した。これらの脂質二重膜を用いて自己・外来抗原濃度を変化させた際のTCRミクロクラスター形成と活性化を解析中である。2.BCRを介するトニックシグナルは末梢Bリンパ球の生存に必須と考えられている。BCRシグナル分子群、PLCγ-2, STIM1, Rukのトニックシグナルにおける寄与を検索するため、トニックシグナルを供与できるモデルレセプターLMP2-Tgマウスとこれらシグナル分子の欠損マウスを交配した。結果PLCγ-2欠損マウスではB細胞分化が初期段階で阻害され、PLCγ-2がトニックシグナルに必須であることが判明した。更にPLCγ-2の下流で重要なシグナル径路を検索し、Ras径路のgain-of-function変異がrescueすることより、PLCγ-2→Rasの径路のトニックシグナルにおける重要性が示唆された。自己不応答性の検索に関してはモデルBCR系であるHELシステムとの交配が完了し、現在解析中である。
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Research Products
(28 results)