2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
19059013
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
斉藤 隆 The Institute of Physical and Chemical Research, 免疫シグナル研究グループ, グループディレクター (50205655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒崎 知博 , 分化制御研究グループ, グループディレクター (50178125)
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Keywords | シグナル伝達 / 抗原受容体 / リンパ球活性化 / 自己識別 / 自己反応性制御 / BCR / カルシウムシグナル / 免疫寛容 |
Research Abstract |
T細胞における自己認識の活性化シグナルの制御の解析のために、自己抗原の認識とその際の細胞活性化を担うTCRミクロクラスターの形成制御と副刺激シグナルの制御を解析した。昨年までにCD28を介する正の副刺激もミクロクラスターを介して起こり、その持続活性化はcSMACの特殊な領域(signaling cSMAC)にPKCqをリクルートすることよって行われることが判明している。一方、負の副刺激を担うCTLA-4もこの特異的な場所としてのsignalingcSMACに集積して、リガンド結合を競合してCD28-PKCqが集積するのを阻害することがリアルタイムイメージングによって解った。制御性T細胞は自己反応性のTCRを有するとともに、CTLA-4が恒常的に発現するが、このCTLA-4は、リガンドと競合でCD28-PKCqのcSMACからの排除が起こり、Tregの負応答の基盤になっていると思われた。 B細胞における自己・非自己抗原の認識から活性化制御に至るシグナル制御の解明のため、BCRシグナルに関与する分子群(PLCg2, STIM, Ruk)の遺伝解析を中心に行っている。STIMはB細胞のみならず、他の多くの免疫細胞においてカルシウムシグナルの開始に必須の分子と考えられてきた。事実、STIMI, STIM2両分子をB細胞特異的に欠損させると、BCRシグナルにより惹起されるカルシウムシグナルはほとんど消失した。当初、カルシウムシグナルはB細胞の分化に必須なシグナルで、このシグナルを消失させるとB細胞の発生・分化に障害が生じるのではないかと考えられてきたが、そうではないことが判明した。しかしながらB細胞におけるカルシウムシグナルは、免疫抑制に重要であることが判明した。
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Research Products
(27 results)