2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
19059013
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
斉藤 隆 独立行政法人理化学研究所, 免疫シグナル研究グループ, グループディレクター (50205655)
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Keywords | co-stimulation / ミクロクラスター / CTLA-4 / c SMAC / T細胞 / 抑制性T細胞 / イメージング解析 / 活性化シグナル |
Research Abstract |
T細胞の自己反応性は、外来抗原に対する反応と同様に、副刺激によって正に負に制御されている。自己反応性の制御性T細胞の分化も、正の副刺激受容体CD28に依存しており、その抑制活性は抑制性副刺激受容体CTLA4に依存している。この副刺激の制御機構をreal-timeイメージングによる動態解析をした。T細胞の活性化は、抗原提示細胞との間に、TCRミクロクラスター(TCR-MC)が形成され、活性化のためのシグナル分子複合体として、活性化シグナルを伝える。TCR-MCは辺縁部から中心に移動してcSMACを形成する。この活性化の際に、CD28は活性化初期にはTCR-MCと共存し、TCR-MCが移動してcSMACを形成すると、TCRとは異なるcSMACにPKCqと共に集積し、副刺激を導入する。同様に、負の副刺激受容体CTLA4の動態を解析した。CTLA4は、通常はエンドソームに蓄積されているが、抗原刺激に伴って、細胞表面の近傍に移行して、辺縁部のTCR-MCに発現せず、直接にcSMACに集積してくる。cSMACにおいて、CD28とリガンドCD80/86との会合を、CTLA4が競合的に奪い、CD28-PKCqはcSMACから追い出されるようになり、活性化の抑制にいたる。このCD28と競合して、抑制活性を発揮するには、実際にcSMACに集積することが重要であることを、CTLA4がcSMACに集まらない変異体を作製して証明した。また、抑制性T細胞は、細胞表面に高濃度のCTLA4を発現しており、このCTLA-4の発現のために、CD28はcSMACに集結できないことが、T細胞がアンジー状態に陥る一つの原因であることが判明した。この解析から、T細胞のCTLA-4による抑制は、ダイナミックな制御として、CD28がcSMACに集積してリガンドと結合することを阻害するとともに、制御性T細胞のアナジーの原因にもなっていることが判明した。
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Research Products
(14 results)