2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
19059013
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
斉藤 隆 独立行政法人理化学研究所, 免疫シグナル研究グループ, グループディレクター (50205655)
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Keywords | 抗原認識 / 自己抗原 / 胸腺選択 / TCRミクロクラスター / 活性化シグナル / 免疫シナプス / T細胞 / 獲得免疫 |
Research Abstract |
(1)T細胞の抗原認識と活性化における自己成分認識の役割について解析した。T細胞分化・機能解析に広く使われているOVAペプチド/OT-1 T細胞を用いて、Planar bilayerで刺激・解析できる系を開発した。これを用いて、胸腺でポジティブ選択とネガティブ選択を誘導することが解っている種々の親和性の異なるOVAペプチドによる胸腺細胞分化や活性化シグナルを解析した。ネガティブ選択を誘導するOVAペプチドでの刺激では、TCRミクロクラスターが形成され、ZAP70リン酸化やNFATの核内移行など細胞内シグナル伝達が起こり、cSMACが形成されたのに対して、ポジティブ選択を誘導するOVAペプチドでは、ミクロクラスターはできるが、cSMACは形成されなかった。cSMAC形成はネガティブ選択を誘導する強い活性化でのみ誘導された。活性化シグナルの強度によるcSMAC形成は、ポジティブ・ネガティブ選択で、前者の強いシグナルによることを示した。この関係は、末梢T細胞でも同様で、親和性に寄らずTCRミクロクラスターは創られるが、強いペプチドでのみcSMAC形成が誘導された。胸腺分化とT細胞活性化におけるペプチド親和性とシグナル制御の共通性が明らかになった。 (2)生体内での自己反応性細胞の制御の解析を行った。抗原特異的T細胞が、生体内で樹状細胞(DC)と相互作用して、自己ペプチドを認識することによって誘導される活性化状態とシグナル制御を解析した。in vivoでCD11c-toxinマウスを用いて、樹状細胞を除去すると、自己反応性と考えられるCD69+細胞が消失し、リン酸化が抑制され、活性化刺激に不応答になる事から、恒常的な自己ペプチドとの相互作用により、准活性化状態になっていることが判明した。
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Research Products
(17 results)