2007 Fiscal Year Annual Research Report
茎頂及び根端メリステム新生の共通基盤となる細胞増殖統御系
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
19060001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 宗隆 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 准教授 (50202130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 美沙都 独立行政法人理化学研究所, 形態制御研究チーム, 基礎科学特別研究員 (60435633)
岩元 明敏 東京学芸大学, 教育学部, 助教 (60434388)
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Keywords | 温度感受性突然変異体 / 細胞増殖 / シロイヌナズナ / シュート再生 / 側根原基 / メリステム |
Research Abstract |
側根形成過程では、原基全域での活発な細胞分裂の後、分裂が休止する段階を経て、メリステム領域での分裂再活性化に至る。srd2およびrid1の場合、制限温度下では細胞分裂が休止しないまま持続し、根端メリステムが確立しない。SRD2がsnRNA転写活性化因子をコードしていることから、snRNA蓄積量と側根形成との関係に注目し、今年度は半同調的側根形成誘導系を用い詳細に解析した。その結果、原基全体で高レベルに保たれていたsnRNAが細胞分裂休止期に著しく低下すること、srdの原基では早い段階からsnRNA蓄積量がやや少なく、それが時間とともにさらに漸減していくことなどがわかった。 rrd1、rrd2、rid4の温度依存的な帯化根形成に関しても、半同調的側根形成誘導系による解析を行い、原基形成初期における制限温度曝露が有効であること、初期細胞分裂域の拡大が帯化につながっていることなどを明らかにした。また、rrd1の温度感受性が、ポリA特異的リボヌクレアーゼ様タンパク質をコードするAt3g25430におけるナンセンス変異に起因することを突き止めた。 シュート再生過程における茎頂メリステム新生に関しては、rid3関連で進展があった。rid3変異はシュート再生時のCUCI、STMの発現を高進するとともに、メリステム新生を妨げ、メリステム構築の場となるカルス表層の細胞塊を過度に成長させることがわかっていたが、miRNAによる制御を受けない変異CUCIを強制的に発現させたときに、カルス表層細胞塊の過剰成長とメリステム新生の阻害が見られたことで、rld3の形態学的表現型とCUCI発現異常との因果関係が示された。また、RID3過剰発現がstm変異体様の表現型をもたらすことを見出したが、この結果とrid3変異体の表現型から、RID3がCUC・STM経路の抑制的制御に働くことが明らかになった。
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Research Products
(16 results)