2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
19060002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚谷 裕一 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (90260512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 貴大 自然科学研究機構, 基礎生物学研究所, 助教 (60450201)
FERJANI Ali 東京学芸大学, 教育学部, 助教 (20530380)
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Keywords | 葉 / 器官形成 / アレスト・フロント / 細胞分裂 / 細胞伸長 |
Research Abstract |
(1) 葉原基における正の細胞増殖促進因子AN3の機能の解明 an3の表現型を強調し、二重変異体のとき子葉の形成される領域に不定数の根を作るという、特異な表現型を示す#2047変異の原因遺伝子を同定した。またan3がas2の葉の背腹性異常を強調することを見いだした。その原因としてリボゾーム関連遺伝子群を同定し、その解析から補償作用は、ある閾値を越えて細胞分裂に異常を持つときだけ発露することを確認した(Fujikura et al. 2009)。さらにan3変異体の葉原基中でAN3をキメラ状に発現させる系を確立し、AN3の機能欠損に起因する補償作用が、細胞非自律的に制御されていることを初めて証明した。 (2) 葉の極性展開制御系の解明 ANについては、GFP等で可視化できる系統を確立し、東大の中野明彦・上田貴志両博士との共同研究により、各種マーカーを用いて局在を確認したところ、TGNのごく近傍にあることが判明した。またC端の短いヒメッリガネゴケのホモログPpAN2や、それに相当するC端欠損型ANもan-1変異を相補できることを見いだした。 (3) 葉柄/葉身の境界およびその他葉の形成を司る遺伝子群の解明 これまでの解析から、シロイヌナズナ葉原基には、相反する方向に向かう2つのarrest frontが存在することが明らかとなった。またその合流点に特異的に発現する遺伝子マーカーを見いだし、その一つはSPTであることを同定した(Ichihashi et al., 2010)。さらに鋸歯の形成に関わる遺伝経路の同定を行なった(Kawamura et a1., 2010)。さらにElongatorが、オーキシン関連遺伝子の制御を介して葉の形態制御をすることを見いだした(Nelissen et al., 2010)。また染色体転座による表現型が、単一の原因遺伝子の作用の総和では説明しきれないほどの葉の大型化をもたらすことを報告した(Horiguchi et al. 2009)。 (4) 葉の極性軸がシロイヌナズナと大きく異なる単面葉における葉の発生の制御系解明 イグサ属における単面葉の発生に関し、各種遺伝子群について解析した結果、単面葉であるにも関わらず平面性をもたらした原因遺伝子として候補遺伝子を同定し、その1つについて遺伝学的にそれを証明した。 (5) ゲノム倍加による葉の細胞数・細胞体積の変動 核内倍加過程に関連して葉細胞サイズに影響する変異体を親株として、4倍体のシリーズを作成した。
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