2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
19060002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚谷 裕一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90260512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FERJANI Ali 東京学芸大学, 教育学部, 助教 (20530380)
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Keywords | 葉 / 器官形成 / アレスト・フロント / 細胞分裂 / 細胞伸長 |
Research Abstract |
(1)AN3を鍵とした諸発生過程 an3の表現型と似た表現型を示す変異体として単離した#2047は、an3と重ねた場合、子葉の予定領域から異所的に根を生じるという表現型を示す。その胚におけるオーキシンの極性的な蓄積には異常はなく、PLT1の異所発現があることが判明した。またこの#2047の原因遺伝子はHANであった(Kanei et al.,submitted)。 (2)補償作用の原因遺伝子 fugu5変異体の細胞分裂欠損は、スクロース投与で回復すること、FUGU5は液胞局在型ピロフォスファターゼであること、また酵母の細胞質型ピロフォスファターゼを発現させると完全に表現型が回復することが判明し、その細胞分裂異常の原因はピロリン酸の異常蓄積にあることが判明した(Ferjani et al.,2011)。 またoli変異体シリーズを含むリボゾーム遺伝子群の変異体について、半網羅的にその機能欠損が葉形態形成に及ぼす影響を解析した結果、遺伝子ごとに、おおむね細胞数減少と葉の背腹性の異常の程度の間に相関が見られたが、例外的にどちらかにより強い影響を持つ遺伝子のあることが見いだされた(Horiguchi et al.2011)。 (3)arrest front後の制御機構 ゼニゴケのANホモログはシロイヌナズナan-1変異体を相補できるが、核局在シグナルを保有しないことが判明した。そこで、ANの既知のドメインに変異を導入したところ、そのいずれも形態形成制御には必須でないことが判明し、またANはトランスゴルジネットワークに局在することが判明した(Minamisawa et al.,2011)。 (4)shootを葉のように変形する分子機構 アスパラガス属植物が作る、葉に酷似した特殊な器官・仮葉枝を解析した結果、これが側枝の変形した器官であること、この原基ではSAM関連遺伝子のみならず、葉形態形成に関わる遺伝子群の一部が異所的に発現していること、葉のように分裂組織が器官の基部側に位置していること等が判明した(Nakayama et al.,2012)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、葉の後期発生に関わる遺伝制御ネットワークの解明が進んでいることに加え、その応用として、仮葉枝の発生制御系のように、本来は葉ではなくシュートである部分が、葉に酷似した形態を取るケースについて、その分子遺伝学的なメカニズムの解明にも進むことができた。ここで、葉らしい形態形成をもたらすために必要最低限の仕組みを浮き彫りにすると共に、植物の形態の多様性の仕組みを解明することにも寄与できたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本特定研究の最終年度なので、総まとめに入り、成果を逐次、投稿論文として発表する。また班員間でこれまで組んできた共同研究についても、同様に総まとめに持ち込む。
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[Journal Article] AUNGUSTIFOLIA, a plant homolog of CtBP/BARS, functions outside the nucleus2011
Author(s)
Minamisawa N, Sato M, Cho K-H, Ueno H, Takeuchi K, Kajiwara M, Yamato KT, Ohyama K, Toyooka K, Kim G-T, Horiguchi G, Takano H, Ueda T, and Tsukaya H
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Journal Title
Plant J
Volume: 68
Pages: 788-799
DOI
Peer Reviewed
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