2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
19060002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚谷 裕一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90260512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FERJANI Ali 東京学芸大学, 教育学部, 助教 (20530380)
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Project Period (FY) |
2007-07-25 – 2013-03-31
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Keywords | 葉 / 器官形成 / アレスト・フロント / 細胞分裂 / 細胞伸長 |
Research Abstract |
(1)葉原基の細胞分裂括性を正に制御する転写共訳因子AN3を鍵とした諸発生過程 葉の細胞数が減少すると細胞の体積が異常増大する「補償作用」は、細胞分裂と細胞伸長との統合系の存在を示す。細葉のan3は典型的な補償作用を示す。AN3は、葉原基の細胞分裂活性を正に制御する転写共訳因子である(Horiguchi et al.,2011)。興味深いことにAN3タンパク質は、細胞間を移動できることが判明した。そこで移動能を保持したAN3と移動能を失わせたAN3とを作製し、表皮のみ、もしくは表皮直下層のみで発現するプロモータ、あるいはAN3自身のプロモータの制御下において、an3に導入した。その結果、葉のサイズ制御には、葉原基でAN3タンパク質が細胞間移動する必要があると判明した(Kawade et al.,2013)。一方、an3と似た細葉変異体として得た#2047はHANの変異体であること、an3と重ねると、子葉の予定領域から異所的に根を生じることを見いだした。その原因を調べた結果、胚におけるオーキシンの極性的蓄積には異常がなく、それとは独立に、PLT1の異所発現が引き起こされているためと判明した(Kanei et al.,2012)。 (2)補償作用の原因遺伝子群 補償作用を引き起こす変異体fuguシリーズの中で、fugu5については、子葉の細胞分裂欠損は、ピロリン酸の異常蓄積によることが判明したため、遺伝生化学的解析を進めた(Ferjani et al.,2012)。一方fugu2変異体については、fas1のアリルと判明し、細胞増殖が低下する原因については、ATM経路に依存したDNA二重鎖切断のチェックポイント制御が想定された(Hisanaga et al。,submitted)。 (3)葉の細胞数を負に制御する、あるいは器官の位置情報を司るROT4ファミリーペプチド RTFLパラログ間での配列の進化、および発現調節のリンクについて解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初目標の1)arrest frontによって、細胞の分裂と伸長がどのような制御を受けるのか(2)arrest frontという仮想前線の実体は何か(3)arrest front作用前の高い細胞分裂活性は何によるのか(4)arrest frontを境とする細胞の分裂領域と伸長領域とは、どういう関係にあるか、の諸点の解明については、(2)を除き、予想以上の進展があった。特にAN3という因子が、想定外なほど多機能を有し、かつ重要な基本因子であることが、2011,2013年の間に判明し、相次いで一流誌に報告できた。また以上の知見の応用として、枝でありながら葉に酷似した形態をとる特異器官「仮葉枝」について、枝に異所的に背腹性関連因子が発現することで、その背腹軸に沿った平面成長が実現していることを明らかとしたほか、単子葉植物に特有な、向軸面の性質を持たない単面葉において、シロイヌナズナでは知られていない独自の平面成長システムが転用されていることを解明した。
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Strategy for Future Research Activity |
この期間内に機能の多様性が浮き彫りとできた重要なハブ因子ANとAN3,そして位置価情報に重要な意味を持つROT4をコアとして、葉の発生における全体の制御系、特にその中の重要経路を俯瞰的に解明したいと考えている。
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Research Products
(45 results)
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[Presentation] 木の表現2012
Author(s)
塚谷裕一
Organizer
第22回文化資源学研究会及び特別講演会
Place of Presentation
お茶の水女子大学(東京都)(招待講演)
Year and Date
2012-10-13
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