2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
19060004
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
岡田 清孝 National Institute for Basic Biology, 所長 (50101093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
槻木 竜二 京都大学, 理学研究科, 助教 (50303805)
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Keywords | 側生器官 / 向背軸決定 / 発現領域 / シロイヌナズナ / enf2突然変異体 / prs突然変異体 / 維管束形成 / vah突然変異体 |
Research Abstract |
FIL遺伝子は側生器官の背軸側特異的に発現するが、その発現パターンが変化したenlarged fil expression domain2(enf2)突然変異体の解析を行った。enf2では、FILの発現領域が向軸側に広がっており、背軸側特異的な海綿状組織が向軸側にまで広がっていた。これらは、ENF2遺伝子が向背軸の境界の位置を決定するのに重要であることを示唆している。また、ENF2がプラスチド機能に関与することを示唆するデータも得られている。 葉や花器官の周縁部には特徴的な構造が形成されるが、その形成過程や分子機構は明らかでない。葉や花器官の発生初期に周縁部特異的な発現を示すPRESSED FLOWER(PRS)遺伝子の機能欠損変異体では托葉が欠失するが、周縁表皮細胞列や排水組織の形成に異常は見られなかった。一次構造と発現パターンの類似性から、PRSのホモログであるWOX1遺伝子に着目し、prs wox1二重突然変異体を作製し、表現型解析をおこなった。その結果、prs wox1の葉では周縁表皮細胞列が欠失し、排水組織の数が大幅に減少していた。これらにより、周縁部に特徴的な細胞分化にはPRSとWOX1が必須であることが明らかになった。 また、葉脈のパターンに異常のある突然変異体を単離し、葉脈のパターン形成機構を解析している。vascular hyperplasia(vah)突然変異体では葉脈の二又化や脈端の遊離が見られる。葉脈の肥厚も観察されたため、維管束内構造を解析した。その結果、vah突然変異体では、向背軸方向への細胞の増加や木部・師部の配向に異常はなかったが、維管束の横方向への細胞数の増加が観察された。これらは、VAH遺伝子が維管束細胞の横方向への増加を抑制するのに必要であることを示唆している。
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