2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
19060004
|
Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
岡田 清孝 National Institute for Basic Biology, 所長 (50101093)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立松 圭 基礎生物学研究所, 植物器官形成学研究室, 助教 (00373324)
|
Keywords | 側生器官 / 向背軸決定 / FIL発現領域 / PHB発現領域 / シロイヌナズナ / miR165 / 166 / enf突然変異体 / prs wox1二重突然変異体 |
Research Abstract |
葉の発生過程では向軸側・背軸側それぞれを規定する因子の発現領域が厳密に限定されることが必要である。向軸側因子の一つPHABULOSA (PHB)の発現領域はmiR165/166によって規定されている。今年度、プロモーター解析から、MIR165AとMIR166A遺伝子が背軸側表皮細胞でのみ発現することを明らかにした。また、miRNAの認識配列への変位を導入したPHB遺伝子を発現させる形質転換体の解析から、MIR165Aの発現のみでPHBの機能領域が限定されることを示唆する結果を得ている。 他方で、背軸側因子の一つFILAMENTOUS FLOWER (FIL)の発現領域を調節するENLARGED FIL EXPRESSION DOMAIN (ENF)遺伝子群の解析から、1)1次代謝に関連するENF1タンパク質の代謝産物が葉の向背軸領域を決定する活性物質に関連することが示された、2)葉緑体での翻訳機構を阻害するリンコマイシンを処理した植物体がenf2変異体様の表現型を示したことから、葉緑体での遺伝子発現が葉の向背軸領域の決定に関与する可能性が示された。さらに、FILのホモログで冗長的に作用するYABBY3遺伝子のプロモーター配列にメチル化された領域が存在するが、向軸側と背軸側の細胞間でメチル化の程度に差があることが示唆されている。 また、葉の周縁部に特異的な細胞分化に関わるPRESSED FLOWER (PRS)とそのホモログであるWOX1遺伝子の分子遺伝学的解析から、prs wox1二重突然変異体では葉の周縁部付近において(i)背軸側表皮細胞が向軸側領域の方へ広がっている、(ii)向軸側の形質である柵状組織やトライコームが背軸側領域にも観察される、という結果が得られた。このことから、PRSとWOX1は葉の周縁部において向軸側と背軸側の境界の形成に関与すると考えられた。
|