2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
19060005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柿本 辰男 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (70214260)
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Keywords | メリステム / オーキシン / サイトカイニン / 形態形成 / 分化 / 情報伝逹 / シグナル分子 / 分裂組織 |
Research Abstract |
本研究では、メリステムを支える新しい遺伝子を見いだし、メリステムを構成する細胞の間のシグナル伝達とメリステムの性質を与える遺伝子のネットワークの仕組みを理解することを目的とする。植物ホルモンはメリステムの重要な調節因子であるが、本年度は、サイトカイニン作用におけるクロマチン修飾の役割について調べた。サイトカイニンは、オーキシンの存在下でシュートの特徴を持つカルスを誘導する。この応答においてサイトカイニンに高感受性を示す突然変異体ckh1, ckh2を分離している。CKH1はTAF (TATA BOX BINDING PROTEIN ASSOCIATED FACTOR)ホモログ、CKH2はクロマチンリモデリング因子をコードしている。これらの突然変異体では、多くのサイトカイニン応答遺伝子が、野生型に比べて、より低濃度のサイトカイニンに応答していたが、サイトカイニン一次応答遺伝子のサイトカイニン応答は変わっていなかった。ckh2では葉緑体の多くのタンパク質の遺伝子のうち、核コードの遺伝子のみサイトカイニンに高感受性となっていた。また、茎頂分裂組織を支える重要な遺伝子の作用と植物ホルモンの関係を理解するとともに、茎頂分裂組織で働く新しい遺伝子を見いだし、遺伝子間の相互作用を調べることも目的である。そのため、種々の変異体バックグラウンドで、WUSCHELまたはESR1を過剰発現する系統を作成した。これらを用いて、遺伝子現の相互作用を調べている。また、表皮においては、分裂能のある細胞が分散して存在するが、これらの細胞の形成と維持機構も調べており、EPF2がメリステモイド母細胞の性質の獲得を阻害する仕組みに関して新知見を得、また、葉肉細胞で発現して表皮に働きかけ、気孔形成を促進する因子Stomagenも発見した。根端分裂組織の性質を決定する因子の候補も見いだしている。
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Research Products
(8 results)