2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
19060011
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
中村 研三 中部大学, 応用生物学部, 教授 (80164292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森上 敦 名城大学, 農学部, 教授 (10211608)
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Keywords | 胚発生 / 種子成熟 / 種子発芽 / 発現抑制 / ヒストン修飾 / LUC発光レポーター |
Research Abstract |
I.HSI2、HSL1による種子成熟プログラム抑制機構 HSI2とHSL1はLEC1,01eS3,At2S3などの種子成熟遺伝子の発芽後の発現抑制に必要であり、in vitroでこれら遺伝子のプロモーターに存在するRYモチーフ様配列に結合する。ChIP解析から、Co1-0株では発芽後にこれら遺伝子領域のクロマチンはH3K27me3不活性マーク修飾を受けるが、その修飾はこれら遺伝子のmRNAが消失する発芽後数日より遅れて発芽後1週目以降に顕著になった。hsi2-2とhs11-1破壊株を使った解析から、01eS3とAt2S3の発現抑制とクロマチンのH3K27me3修飾にはHSI2が関与するが、LEC1の発現抑制とクロマチンのH3K27me3修飾にはHSI2とHSL1の両者が関与することが強く示唆された。 II.01eS3:LUCを使った種子成熟遺伝子の発現抑制モニタリングと突然変異株の網羅的スクリーニング 01eS3)p::LUCを導入したCol-0株種子をルシフェリン入り培地で発芽させると、少なくとも一部新奇の転写・翻訳に依存したLUC発光が起こるが発芽後36時間目をピークに次第に消失した。一方、01eS3p::LUCをhsi2-2株やhsi2-2 hs11-1二重破壊株に導入すると、発芽後36時間目のピークは見られずLUC発光は発芽後継続的に増加した。種子発芽後36時間前後に、01eS3遺伝子領域ではHSI2が関与して大きな質的変換が起こることが示唆される。名古屋大学遺伝子実験施設の石浦正寛教授グループとの共同研究で、種子発芽後に01eS3p::LuCが脱抑制を受ける突然変異株の全自動LUC発光モニタリング装置を使った網羅的スクリーニングと次世代シーケンサを使った遺伝子解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HSI2とHSL1の標的遺伝子のクロマチンの発芽後のヒストン修飾のうち、H3K27me3不活性マーク修飾に関わるHSI2とHSL1の役割を明らかにできた。OleS3p::LUC導入植物と全自動生物発光モニタリング装置を使い、発芽後の発現抑制に関わる突然変異株の網羅的スクリーニング系を確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
H3K27me3以外のクロマチン修飾のChIP解析、pickle変異株との遺伝学的解析、新たに得た突然変異株の原因遺伝子の同定も加え、発芽後初期にOleS3,At2S3,LEC1遺伝子領域でHSI2とHSL1が関わって起こる種子成熟遺伝子の発現抑制に至る分子機構を明らかにしたい。
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Research Products
(6 results)