2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
19060013
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
島本 功 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 教授 (10263427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 理枝 基礎生物学研究所, 分子遺伝子学研究部門, 助教 (30137799)
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Keywords | 植物 / イネ / フロリゲン |
Research Abstract |
イネをモデルに短日植物における開花統御の分子機構を明らかにする。これまでにHd3a/FTタンパク質が花成ホルモン(フロリゲン)の実体であることを強く示唆する結果を得ており、今年度はHd3aの機能制御機構を1) Hd3a相互作用タンパク質の機能解析および2) Hd3aの発現調節とイネ花成制御の多様性の観点から明らかにした。 イネの花成は短日条件下で促進され、長日条件下で遅延するが、長日条件下においても最終的には花成が誘導される。本研究では、Hd3aとそのパラログのひとつRFT1の詳細な機能解析を進め、RFT1が長日条件下において特異的に機能するフロリゲンであることを明らかにした。Hd3aの発現をRNAiによって抑制すると、短日でのみ開花が遅延し長日では影響がなかった。逆に、RFT1の発現を抑制すると短日では影響がなく長日でのみ開花が遅延した。従って、Hd3aは短日特異的に、RFT1は長日特異的に開花を促進することが分かった。維管束特異的なRFT1プロモーターでRFT1-GFPを発現させた形質転換イネを詳細に観察すると、プロモーター活性の存在しない茎頂においてもRFT1-GFPの蛍光を明瞭に検出することができた。RFT1は長日条件下において葉で合成された後、茎頂まで移動し開花を促進するフロリゲンであると考えられる。これらの結果から、イネはHd3aとRFT1の2つのフロリゲンをもっており、両者を日長によって使い分けていることが明らかとなった。さらにRFT1の発現を活性化させるメカニズムを解析した結果、長日では短日とは異なる遺伝子セットからなる花成促進経路がRFT1を発現誘導することを明らかにした。すなわち短日条件下では主にOsGIeHd1eHd3aの順で遺伝子発現が活性化し花成が誘導されるのに対して、長日条件下の葉ではこれとは異なるOsMADS50eEhd1eRFT1の順で遺伝子発現が活性化され、RFT1タンパク質が茎頂へ移動し花成を誘導することを示した。
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Research Products
(12 results)