2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
19060013
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
島本 功 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10263427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 理枝 名城大学, 農学部・生物資源学科, 教授 (30137799)
大木 出 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (80418574)
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Project Period (FY) |
2007-07-25 – 2013-03-31
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Keywords | フロリゲン / イネ / 花成 |
Research Abstract |
本研究では、短日植物イネをモデルに花芽分化の統御メカニズムを明らかにすることを目的としている。これまでに移動性の花成誘導刺激である花成ホルモン(フロリゲン)の分子実体がHd3a/FTと呼ばれるタンパク質であることを明らかにし、さらに茎頂分裂組織の細胞内におけるフロリゲンの細胞内受容体として14-3-3タンパク質を特定した。また、フロリゲンは細胞の核内でHd3a-14-3-3-OsFD1からなるタンパク質複合体Florigen Activation Complex(FAC)を形成し、花芽分化を実行する遺伝子群の転写を活性化することを示した。これらの成果を受けて、本年度はFACの機能制御機構の解明を目的に研究を行った。 はじめにFACが細胞内で形成に関する生化学的な知見を得るため、イネ培養細胞からFACの精製を試みた。FACを構成する3つのタンパク質にエピトープタグを連結して発現するベクターを構築し、イネ培養細胞に遺伝子導入後、各々のエピトープタグによって免疫沈降することによってFACの形成を調査した。 Hd3a-3xFLAG,GF14b-GFP,10xMyc-OsFD1を同時に発現させた細胞を材料に、抗GFP抗体によってGF14bと結合しているタンパク質を免疫沈降した結果、Hd3a-3xFLAG及び10xMyc-OsFD1を同時に検出することができた。ただしこの実験ではFAC以外にHd3a-GF14bのみ、もしくはGF14b-OsFD1のみで構成されるサブコンプレックスも検出される。そこでより正確にFACを検出するために、2段階の連続免疫沈降による検出を試みたHd3a-3xFLAG,GF14b-GFP,10xMyc-OsFD1を同時に発現させた細胞を材料に、第1段階の免疫沈降として抗FLAG抗体によりHd3a-3xFLAGと相互作用している複合体を回収し、FLAGペプチドによって複合体を溶出したあと、第2段階の免疫沈降として抗GFP抗体によってGF14bと結合しているタンパク質を免疫沈降した。この方法によってHd3a-3xFLAG及びGF14b-GFPを同時に含む複合体を回収し、10xMyc-OsFD1が含まれているかどうかをウェスタンブロット法によって解析したところ、確かに10xMyc-OsFD1を検出することができた。これらの結果から、FACの形成を生化学的にも検出することに成功したといえる。
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Research Products
(2 results)