2022 Fiscal Year Annual Research Report
Mathematical analyses for oscillatory behaviors in plants by integrating molecular dynamics and cellular mechanics
Project Area | Intrinsic periodicity of cellular systems and its modulation as the driving force behind plant development |
Project/Area Number |
19H05678
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
望月 敦史 京都大学, 医生物学研究所, 教授 (10304726)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 数理モデル / ダイナミクス / 形態形成 / 花弁 / 萼 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では数理的手法を用い、植物形態形成に対して、(1) 生体分子ダイナミクスと、(2) 細胞メカニクスの2つの階層から、周期性を創出するメカニズムとその変調がもたらす効果の解明に迫る。これまでに開発した構造理論を発展させ、(i) 周期的振る舞いが現れるための生体分子相互作用の条件および、周期性やその変調が器官形態にもたらす効果を数理的に決定する。さらに、これらを用いて、(ii) 領域内の実験グループとの共同研究を推進し、植物形態形成でみられる様々な振動現象のメカニズムを予測検証的に解明する。 2022年度は特に、葉の形態形成とその多様性を、細胞レベルの振る舞いから解明することを目指して、実験と数理を組み合わせた研究を、計画班の塚谷グループと共同で進めた。単純な2次元Vertexモデルを基準とし、分裂頻度および分裂方向のパラメータを網羅的に変化させ、得られたパターンを実際の花弁・萼の形態と定量的に比較することで、それぞれの形態を実現するための細胞分裂挙動の条件を定めた。その結果、花弁と萼の形態の違いには、分裂頻度の空間分布の違いが本質的に重要であることが分かった。一方で、細胞分裂の方向をさまざまに変えてみても、花びららしさや萼らしさに対するその効果は限定的であった。この結果は、実験的に解析された分裂頻度および分裂方向の結果と一致しており、結論を数理からサポートすることができた。成果はDevelopment誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数理理論の構築は順調に進み、論文作成を進めている。また具体的な生命現象の解明を目指して、実験生物学者と共同研究を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も理論解析を進め、さらなる論文業績につなげたい。また具体的な生命現象の解明を目指して、実験生物学者と共同研究を進める。
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