2019 Fiscal Year Annual Research Report
Post-Koch Ecology: The next-era microbial ecology that elucidates the super-terrestrial organism system
Project Area | Post-Koch Ecology: The next-era microbial ecology that elucidates the super-terrestrial organism system |
Project/Area Number |
19H05682
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野村 暢彦 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60292520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊福 雅典 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30644827)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 複合微生物系バイオフィルム / 排水処理 / 細菌 / イメージング解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代の微生物研究の手法は、19 世紀に確立されたコッホ型微生物学、即ち、寒天培地を用いて微生物を純粋分離するという旧態依然とした手 法に頼ってきた。しかし、環境のメタゲノム解析によって99%以上に及ぶ未分離・未解明の微生物にアクセスすることは極めて難しいことが分 かってきた。つまり、自然界の大部分の微生物は従来の手法では純粋分離できないのである。超地球生命体を構成する多様な微生物を知るため には、コッホの微生物学の殻を破る新たな「ポストコッホ技術」を確立し、「ポストコッホ機能生態系モル」を創生する必要があるイメージン グ解析技術を用いて複合微生物系を分離せずに各微生物細胞のタグ付けを行う。具体的には、新規イメージング解析技術CRIFを用いることによって、3 次元構造をとる複合微生物系中の任意の微生物細胞を、空間配置そのままで、培養を介さ ず各微生物細胞に蛍光指紋をタグ付けを行う。そして、これまで分離・培養できなかった難培養性微生物を識別・分離・解析する技術を構築し 、複合微生物系を構成するダークマター微生物(難培養性微生物)を分離可能にするポストコッホ微生物分離システムを開発する。 排水処理に用いられる活性汚泥は、複数の微生物が安定して存在する複合微生物系であることが知られている。また、領域全体で解析を進める モデル圃場の土壌と泥状の性状を示す点で類似している。そこで、まず活性汚泥を含む様々な複合微生物系サンプルを用いて、CRIF 解析による各微生物細胞のタグ付け を行う手法をすすめた。排水処理で最も重要な脱窒に関わる細菌をはじめ、大きさ・形のみでは判別不可能な細菌種をCRIFにより、分類つまりタグ付け出来る事が確認出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
複合系微生物サンプル由来の各種細菌のタグ付けに新規イメージング解析技術(CRIF)が適用できる事がわかったことは、本新学術プロジェクトの展開また意義づけに大きく貢献するものである。 さらに、新規イメージング解析技術(CRIF)に おいて可視領域以外の励起波長により、当初の予想に反し 、定性評価が飛躍的に向上することが明らかとなった。本知見は、細胞の定性能の精度をさらに向上させるものであり、知的財産になると考えられ、そこについてもさらに解析を進めることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
新規イメージング解析技術(CRIF)は、自家蛍光シグネチャーに基づいて細胞の増殖状態や生育条件を高感度に判別できること、細胞の生理状態によって自家蛍光シグネチャーが変化することが明らかになってきた。本新学術プロジェクトの展開において、複合微生物系における微生物間相互作用をCRIFを用いて、非破壊・未処理でその細胞間の相互作用を理解することが最終目的になる。そこで、微生物間相互作用の中でもクオラムセンシング (Quorum sensing、QS) に着目する。QSは細胞密度の変動に応答して個々の細胞がシグナルを生産・受容し、QSが活性化すると遺伝子発現が変化する。細胞の生理状態を反映する自家蛍光シグネチャーをCRIFを用いることで、非破壊・未処理で細胞集団のQSの活性を予測・診断することができると期待される。QSの活性化は病原性発現などにも関係してることから、今後新たな研究手法の一つとしてだけでなく、環境中の細菌診断のみならず医療方面などでの細菌制御技術への応用も見込める。
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[Journal Article] Sakamoto S, Nobu MK, Mayumi D, Tamazawa S, Kusada H, Yonebayashi H, Iwama H, Ikarashi M, Wakayama T, Maeda H, Sakata S, Tamura T, Nomura N,2021
Author(s)
Sakamoto S, Nobu MK, Mayumi D, Tamazawa S, Kusada H, Yonebayashi H, Iwama H, Ikarashi M, Wakayama T, Maeda H, Sakata S, Tamura T, Nomura N,
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Journal Title
Syst. Appl. Microbiol.
Volume: 44
Pages: 126154
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Fungal mycelia and bacterial thiamine establish a mutualistic growth mechanism.2020
Author(s)
Abeysinghe G, Kuchira M, Kudo G, Masuo S, Ninomiya A, Takahashi K, Utada AS, Hagiwara D, Nomura N, Takaya N, Obana N, Takeshita N.
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Journal Title
Life Sci Alliance
Volume: 3
Pages: e202000878
DOI
Peer Reviewed
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