2021 Fiscal Year Annual Research Report
Growing complexity of social groups and warfare
Project Area | Integrative Human Historical Science of "Out of Eurasia": Exploring the Mechanisms of the Development of Civilization |
Project/Area Number |
19H05734
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
松木 武彦 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (50238995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 敦 東北大学, 学術資源研究公開センター, 教授 (00238560)
渡部 森哉 南山大学, 人文学部, 教授 (00434605)
比嘉 夏子 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (00721565)
佐々木 憲一 明治大学, 文学部, 専任教授 (20318661)
寺前 直人 駒澤大学, 文学部, 教授 (50372602)
市川 彰 名古屋大学, 人文学研究科, 共同研究員 (90721564)
橋本 達也 鹿児島大学, 総合科学域共同学系, 教授 (20274269)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 戦争 / 武器 / 防御施設 / 儀礼 / 認知 / 階層化 / 社会複合化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ヒト固有の「入れ子状に階層化する多数の集団が複合した巨大な社会」が生み出されたメカニズムとプロセスを、戦争という事象を通じて解明することである。本研究では、戦争に関する事象のうち、戦争という状況の演出によって集団内のアイデンティティを強化し、その感情や表象の操作を通じて強化された権力によって急速な階層化が進むという内的・認知的側面を重視し、戦争に関わる人工物(考古資料)の時系列化とその地域比較によって、ヒト社会における戦争と社会複合化のプロセスを復元する。そして最終的には、さらに、ヒトの認知と身体がどのようにして戦争という現象を生み、それを媒介に、どのような認知と進化の メカニズムが、集団の複合化と、それによるヒト特有の巨大社会を実現したのかを明らかにする。 上記の目的を達成するため、日本列島・北アメリカ・中央アメリカ・南アメリカ・オセアニア各地における調査と資料収集及びデータ整理を行い、上記の地域比較をもとに普遍的共通性と地域的個性を弁別するための作業を進行させた。具体的には、研究代表者の松木武彦が日本列島中央部の弥生~古代、研究分担者の寺前直人が同地域の弥生~古墳時代、藤沢敦が弥生時代~古代の日本列島北部、橋本達也が古墳時代中央部および南部の日本列島について上記の比較検討のデータを集成・整理した。さらに、研究分担者の市川彰・佐々木憲一・渡部森哉・比嘉夏子および研究協力者の長岡拓也・岡安光彦・山本正昭は、それぞれメソアメリカ・北アメリカ・アンデス・オセアニアおよび北東アジア・沖縄での調査を踏まえてデータを整備した。以上の研究の進展に沿いつつ、2021年6月には『年報人類学研究』に戦争に関する論文の特集を組み、同11月11日には、海外の研究協力者のE.アーカッシュ氏とH.イケハラ氏も参加して国際シンポジウム「戦争のランドスケープと先史社会」を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の目的を達成するため、日本列島・北アメリカ・中央アメリカ・南アメリカ・オセアニア各地における調査と資料収集及びデータ整理を実施した。ただし、COVID19の感染拡大によって、一部地域において現地調査が予定通り進展しなかった場合があった。そのような制約の下で、可能な限りの資料収集に努めた結果、普遍的共通性と地域的個性を弁別するための基礎作業はおおむね進展したので、研究全体もおおむね順調に進展していると評価できる。また、現時点での資料の収集・整理・分析をもとにして開催した論文特集(『年報人類学研究』12、特集「新しい戦争の考古学」)および国際シンポジウム「戦争のランドスケープと先史社会」において、地域間の戦争のメカニズムとプロセスの共通性と多様性とを弁別してさらなる考察を行う基盤が得られたことも、おおむね順調な進展と評価できる理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように、「出ユーラシア」(日本列島・北アメリカ・中央アメリカ・南アメリカ・オセアニア各地)の各フィールドの調査と分析をもとに、地域間の比較検討を通じて、その普遍性と多様性を弁別できた。これをもとに、「戦い」の進化・認知的基盤と戦争発生のメカニズムについての仮説を構築する基盤が得られた。これをもとに、研究期間の後半に当たる今後においては、A01モニュメント班とA02アート班およびB02脳科学班の成果も参照しながら、本領域の基幹理論である3元ニッチ構築を軸とした「戦争」の発生と持続、およびそれと社会複合化の相互関係のメカニズムについて、モデルを具体的に構築していく。
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Research Products
(34 results)
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[Book] Global Perspectives on Landscapes of Warfare2021
Author(s)
Arkush,E., Borzunov,V.E., Chechushkov,I.V., Earley-Spadoni,T., Kim,N.C., Kohet,L., Matsugi,T., Nichols,K., Quick,R.S., Scholtus,L., & J.Williams / Ikehara-Tsukayama, H. & J.C.Vargas Ruiz(eds.)
Total Pages
308
Publisher
University Press of Colorado
ISBN
978-1-64642-099-5
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