2022 Fiscal Year Annual Research Report
Sociocultural mechanisms underlying niche construction based on ethnographic research
Project Area | Integrative Human Historical Science of "Out of Eurasia": Exploring the Mechanisms of the Development of Civilization |
Project/Area Number |
19H05735
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
大西 秀之 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (60414033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲村 哲也 放送大学, 教養学部, 客員教授 (00203208)
清水 展 関西大学, 政策創造学部, 客員教授 (70126085)
木村 友美 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 講師 (00637077)
須田 一弘 北海学園大学, 人文学部, 教授 (00222068)
河合 洋尚 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (30626312)
山内 太郎 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (70345049)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 認知・行動様式 / 身体 / 生存戦略 / 景観 / 環世界 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、過去3年の成果を踏まえ、個人の研究活動から領域全体に対する貢献までを議論し共有する機会として、本研究計画班の代表者・分担者・協力者が参加する班会議を2回開催した。具体的には、第1回会合において中間評価を踏まえた上で、2021年度の成果の取りまとめを行い、本年度の各メンバーと班全体の調査研究を計画するとともに、調査データ・成果の比較検討を目的とした研究会合を設け情報共有に努め、最終成果を射程に入れた領域全体に対する本研究班の貢献を策定した。第2回会合では、各メンバーの最終年度に向けた計画を報告するとともに、国際シンポジウムなどの企画を議論した。 具体的な活動としては、コロナ禍によって過去2年延期となっていた「ベーリンジア国際シンポジウム」を本計画班が中心となって10月15-16日に開催した。本シンポジウムでは、先史考古学や自然人類学などを専門とする海外6名、国内7名の研究者を招へいし、新大陸への人類進出を最新のデータや仮説を踏まえ議論した。また第8回の全体会議では、代表者1名・分担者6名・協力者2名・公募研究代表者2名が口頭発表・ポスター報告を行い、各自の調査研究計画と領域全体に対する貢献を提示した。特に同会議では、セッション2「認知と身体から構築する人類史:フィールドサイエンスからの挑戦」を主宰し、本領域全体のテーマである認知進化に対する人類学・考古学・霊長類学のアプローチを提示した。なお詳細に関しては、本領域の『2022年度報告』「B01班活動報告」を参照願いたい。 以上のような活動を基に、本年度は、学術雑誌論文28本(和文16本・英文12本)、書籍掲載論文8本(和文8本)、単著・編著5編(和文4編・英文1編)、発表講演34(日本語16・英語17)を刊行・報告することができた。各詳細に関しては、本報告と前掲書『2022年度報告』「業績」を参照願いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も、所属メンバーが個々の調査研究を超え、本計画班のみならず領域全体に対して、どのように貢献を果たすか検討する貴重な機会を設けることができた。具体的には、①科学研究の「実践の場」における民族誌研究、②身体を対象とした自然科学的研究、③人類史的な時間軸での民族誌研究、という申請時に計画したテーマごとに提示する。 まずテーマ①に関しては、全体会議や「景観ユニット」などで考古学を中心とする領域研究に参画する他分野と積極的に議論を交わすことにより、科学研究に内包されている「自文化」ないしは「西洋近代」中心主義的な視点に対する批判的検討を行うことができた。次にテーマ②に関しては、「食と栄養ユニット」を組織し民族誌フィールドにおける調査法やデータ収集法や、近代化や開発を契機として食文化を含むライフスタイルの変化が身体に与える影響などについて議論を行うとともに、研究分野を超えた連携や統合の可能性を追究した。最後にテーマ③に関しては、本計画研究班が主催した第3回全体会議において、非/前近代社会を対象としてきた文化/社会人類学の成果から、近代的な視点とは異なる国家や文明に対する視座を提示するとともに、『年報人類学研究』13号において「民族誌で文明を語る」という特集を企画することができた。 上記に加え、本年度は、本計画班に配置された公募研究「アメリカ大陸極北圏での人類の認知技能の発達に関する民族認知考古学的研究」(研究代表:大村敬一)がホストなり、「ベーリンジア国際シンポジウム」を開催した。同シンポジウムは、国際的に活躍する国内外の研究者が一同に会して、ユーラシア大陸からアメリカ大陸への移動をテーマとしたものであり、最新のデータや仮説を共有する機会になるとともに、単なる成果の国際発信にとどまらない「出ユーラシア」を領域全体にとって重要な貢献を果たす企画になった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画は、まずメンバー個々の最終的な成果のまとめに向けた調査研究の推進と、領域全体の最終成果に対する各メンバー及び本計画研究全体としての貢献の追求、という2点に大きく収斂される。もっとも、具体的に行うことは、過去4年間の成果を踏まえ、各メンバーが自らのテーマ・方法、ディシプリンに基づき、それぞれ調査対象とする社会に暮らす人々の認知や行動を形成している要因や背景に多角的・包括的なアプローチを試み、出ユーラシアにより多様な自然環境に進出・適応を果たすとともに文明形成の基盤となった現生人類のニッチ構築能力の究明である。 以上のような計画の下、最終年度となる次年度(2023年度)は、まず過去4年度同じくメンバー全員が参加する会合の機会を設け、2022年度までの活動結果を踏まえるとともにコロナ禍や国際情勢などで実施できなかった現地調査を中心に該当年度における個々のメンバーと班全体の計画を決定する。これに加え、次年度は、本計画研究班における主要な目的を達成するため、次の二つの計画を実施する。まず一つは、アウトリーチとしての国際的な成果発信を目的とした国際ワークショップをペール・アレキパで開催する。このワークショップは、本来本年度(2022年度)の開催を計画していたものの、当該地域の政情不安によって延期を余儀なくされていたが、領域全体にとって必須の貢献となるため、次年度の最優先課題として実現する。いま一つは、計画研究班を超えたメンバーとの共同研究の成果発信である。こちらに関しては、領域全体の重要課題である景観をテーマとした学術書をA01~03班に所属する考古学を専門とするメンバーと共同での出版と、同じく領域全体の最重要コンセプトであるニッチ構築をテーマとした検討会の実施を、それぞれ計画している。
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Remarks |
岡山大学文明動態学研究所公式YouTubeチャンネルで公開した「International Symposium of "Out of Eurasia" Project: Human Dispersal from north Eurasia via Beringia into North America」の録画(日本語・英語)
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Research Products
(77 results)
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[Journal Article] Detection of Escherichia coli, rotavirus, and Cryptosporidium spp. from drinking water, kitchenware, and flies in a periurban community of Lusaka, Zambia.2022
Author(s)
Asada Y , Chua ML , Tsurumi M , Yamauchi T , Nyambe I , Harada H
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Journal Title
Journal of Water and Health
Volume: 20(7)
Pages: 1027-1037
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Book] レジリエンス人類史2022
Author(s)
稲村哲也・山極壽一・清水展・阿部健一(編)
Total Pages
526
Publisher
京都大学学術出版会.
ISBN
978-4814004010
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