2023 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstitution of totipotent nuclei in a test tube
Project Area | Program of totipotency: From decoding to designing |
Project/Area Number |
19H05755
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
新冨 圭史 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (60462694)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 染色体 / 再構成 / 核の再プログラム化 / カエル卵抽出液 |
Outline of Annual Research Achievements |
受精や体細胞核移植によって発生が開始すると、核の構造が大規模に変化する。その結果、胚性ゲノムからの遺伝子発現が可能となり、初期胚特有の速い細胞周期(卵割周期)に適したクロマチン構造が構築される。この過程は「核の再プログラム化」と呼ばれている。本研究では、独自に開発したin vitro実験系を用いて、(1)体細胞核移植において、ドナー核が卵割周期に適応する過程、(2)受精後に核で転写が開始される過程、それぞれに必要な因子を同定し、(3)精製タンパク質を使って上記の過程を試験管内で再構成を目指した。 上記の目標のうち(1)については、最も重要なステップである、ドナー核とレシピエント細胞質の相互作用によるクロマチン構造変化ついて予想外の成果を得た。ドナー核とレシピエント細胞質のモデルとして、それぞれ、カエルの赤血球核と分裂期卵抽出液を用いた無細胞系を確立した。この実験系で、高度に凝集した赤血球核がロッド形状の染色体へと変換される前後のクロマチン結合タンパク質の変化を検討し、トポII、コンデンシンなどが新たに結合することを明らかにした。そこで、分裂期におけるトポIIの機能解析を進めたところ、意外なことに、トポIIが同一染色体内にDNAの絡まりを作ることによって染色体構築に貢献していることが証明された(Shintomi & Hirano, 2021, Nat Commun)。また、目標(3)の達成に向けて、リン酸化依存的にコンデンシンを活性化できる染色体再構成系を確立した(Shintomi et al, 2024, PLOS ONE)。なお、目標(2)については、解析に十分な時間と人員を確保できなかったため、当初の計画通りに進めることができなかった。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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