2021 Fiscal Year Annual Research Report
生命金属動態の理解に向けた金属イオンConditionalプロテオミクス法の開発
Project Area | Integrated Biometal Science: Research to Explore Dynamics of Metals in Cellular System |
Project/Area Number |
19H05764
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 朋則 京都大学, 工学研究科, 講師 (10746639)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | コンディショナルプロテオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
銅イオン(Cu+/Cu2+)に応答して反応性が上昇する新規ラベル化剤として、昨年度に引き続きキレーター部位を有する銅イオンコンディショナルプロテオミクスプローブの開発を行った。先行してChristopher Changグループ(UC Berkeley)と共同でアシルイミダゾール化学を基盤とする銅イオン応答性タンパク質修飾プローブを開発したが(J. Am. Chem. Soc., 142, 14993-15003 (2020))、このプローブはCu+/Cu2+に対する選択性が低く、銅イオン非存在下におけるバックグラウンドも高いという課題があった。そこでさらなるプローブ性能の改善を目指して銅イオンとの錯形成に伴って高反応種であるキノンメチドを生成可能なプローブを設計した。その結果、新たに開発したプローブはCu+イオンに対して選択的であり、従来のプローブよりも低濃度のCu+によって応答することがわかった。この新規プローブを銅輸送タンパク質CTR1を発現したHeLa細胞に処置したところ、CTR1発現細胞選択的にCu+イオン依存的なタンパク質ラベリング反応が進行した。 また、オルガネラ選択的ホスファチジルコリン(PC)蛍光標識法をCRISPR-knockoutスクリーニングと組み合わせ、PCの細胞内存在量や局在といった表現型に摂動を与える遺伝子群を網羅的に同定したところ、予想外にヘムトランスポーターの一種がPCの生合成に関与していることが明らかとなった。さらなる解析の結果、このタンパク質は白血病細胞株K562細胞において主要なコリントランスポーターであることを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
銅イオン応答性タンパク質修飾プローブについては、細胞系でも使用可能なプローブの開発に成功し順調に進展している。また、本年度は別のプロジェクトで進めていたホスファチジルコリン代謝関連遺伝子の探索において、生命金属科学とも関連する予想外の発見があり、当初計画以上の進展があった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は銅イオン応答性タンパク質修飾プローブを用いて銅輸送タンパク質の網羅的なインタラクトーム解析を実施し、細胞内銅輸送メカニズムの解明に取り組む。また、2021年度に発見したヘムトランスポーターを介するコリン取り込みに関してより詳細な構造解析を行い、その分子機構を明らかにする。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] FixEL: a new method for visualizing ligand dynamics in the brain by reframing the PFA fixation chemistry.2022
Author(s)
Takeharu Mino, Hiroshi Nonaka, Seiji Sakamoto, Jae Hoon Oh, Yu Watanabe, Mamoru Ishikawa, Akihiro Tsushima, Kazuma Amaike, Shigeki Kiyonaka, Tomonori Tamura, Radu Aricescu, Wataru Kakegawa, Eriko Miura, Michisuke Yuzaki, Itaru Hamachi
Organizer
日本化学会 第102春季年会
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