2023 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of physiological renal functions via dynamic cellular transports of biometals
Project Area | Integrated Biometal Science: Research to Explore Dynamics of Metals in Cellular System |
Project/Area Number |
19H05770
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
藤代 瞳 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (10389182)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 有害金属 / カドミウム / マンガン / シスプラチン / 近位尿細管 / 腎障害 / 金属輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
シスプラチン(CDDP)に対するS3領域の高感受性の原因を明らかにするために、マウス近位尿細管S1, S2, S3領域由来不死化細胞(S1, S2, S3細胞)を使用して検討した結果、CDDP曝露によりS3細胞では活性酸素種(ROS)量が顕著に増加し、細胞内遊離Fe2+量は、S3細胞で高い値を示し、CDDP添加によってFe2+量は増加した。また、阻害剤を用いた検討により、鉄依存的な脂質酸化反応を伴う細胞死であるフェロトーシスが、S3細胞のCDDP高感受性に一部関与していることが示唆された。 Cd-MT投与よる腎障害誘発マウスモデルを使用した検討より、Cd-MT投与によって、リン酸(Pi)および糖の再吸収障害が確認できた。Piと糖の再吸収にはNpt2a、SGLT2 などのNa依存的輸送体が必要であり、Na+/K+-ATPaseによるNa排出を駆動力としているが、Cd-MT投与により、Na+/K+ ATPaseの発現量は変化しなかったことから、Na依存的な再吸収すべてがCd-MT投与により障害されるわけではないと考えられた。また、糖およびPiの再吸収障害には、それぞれの輸送体であるSGLT2およびNpt2aの発現量の低下が少なくとも一部関与する可能性が示唆された。 亜鉛(Zn)輸送体ZIP8はZn以外にマンガン(Mn)の輸送に関与する。ZIP8の変異により低Mn血症と先天性グリコシル化異常症(CDG)を起こすことが報告された。日本において発見されたZIP8変異によって低Mn血症とCDGを起こした小児と同じZIP8変異体発現細胞を作製し、金属輸送能を調べた結果、Mn輸送能が約65%に低下していた。今後、腎臓における全身のMn恒常性におけるZIP8の役割について明らかにしたい。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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