2021 Fiscal Year Annual Research Report
Computational design of functional core using informatics approaches
Project Area | New Materials Science on Nanoscale Structures and Functions of Crystal Defect Cores |
Project/Area Number |
19H05787
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
溝口 照康 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70422334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
世古 敦人 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10452319)
豊浦 和明 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60590172)
柴田 基洋 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (40780151)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 機能コア / 界面 / 表面 / 転位 / 情報科学 / シミュレーション / ナノ計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
機能コアは格子欠陥に形成される量子場であり,その構造と機能を理解するためには,複雑な計算や計測が不可欠である.本計画班は機能コア開発を加速するための情報科学手法の開発と応用という「機能コアインフォマティクス」ともいうべき役割を担っている. これまでに機械学習を利用することにより,その計算効率を数万倍向上させることに成功している.一方で,構造決定が困難な格子欠陥も多数存在している.そこで,格子欠陥の構造を決定せずに物性を予測する手法の開発に取り組んできた. 2020年度の界面物性予測に続き,2021年度においては表面への原子吸着に関して,表面構造を作成することなくその吸着エネルギー,結合距離,電子構造を予測するモデルの構築に成功した. さらに,本計画班では高精度な機械学習ポテンシャルを構築・公開している.前年度に引き続き,第一原理計算と情報科学の技法により,高精度な原子間ポテンシャルを構築する手法の開発および公開を行った.また,他班との連携により,シリコンの結晶粒界における粒界エネルギーや格子熱伝導などの予測を高精度に行った.その他にも, Decision Diagramによる制約を満たす結晶構造列挙手法を応用し,Special quasi-random structureの探索手法を開発した. 本計画班では様々な手法を活用したイオン機能コアの解析も行ってきた.前年度までに,第一原理計算と情報科学の技法を連携させることで,結晶内における拡散原子のポテンシャルエネルギー曲面 (PES) の高効率評価を実現し,今年度は,得られたPESから精度よく拡散係数を見積もる手法を開発した.そのソースコードはGitHubにて公開済である. また,2021年度は実験的に計測可能なスペクトルと機械学習を利用した解析も進め,これまで理解されてこなかったスペクトル機能相関を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで格子欠陥の構造を決定せずに物性を予測する手法の開発に取り組んできた.2020年度において界面物性を予測する記述子明らかにし,さらに2021年度においては表面への原子吸着に関して,表面構造を作成することなくその吸着物性を予測するモデルの構築に成功した.また,機械学習ポテンシャルの構築・公開に関しては, 2021年度は特に合金系のポテンシャル開発を進めた.結果的に,48種の単体,88種の二元系合金を対象とした原子間ポテンシャルを開発した.今後は,これらを用いて機能コアに関連した系を高精度に計算することが可能である.また,同手法を利用し,計画班や公募班との機能コアに関連した連携研究も進めている. さらに,これまでに開発した固体内拡散の高精度かつ高効率評価手法で得られる拡散原子のPESを拡散係数やイオン伝導度に繋げる手法を開発・公開することができた.計画班や公募班と連携したイオン機能コア解析も進み,新たな知見も得られている.また,中国・蘇州大学とノルウェー・オスロ大学とも国際共同研究を実施し,酸化物イオン機能コア解析も進めている. 計測可能なデータを利用した機械学習解析に関しても,新たなスペクトル機能相関を明らかにすることができた.同解析を通し,実験スペクトルから界面の局所熱物性を決定することにも成功している. 以上のように,機能コア解析のための手法の開発,公開,領域内共同研究さらに国際共同研究も進んでいることから,「順調に進展している」と結論付けることができる. 一方で,2021年度においても国際会議への対面出席ができておらず,国際的なプレゼンスの低下が懸念されている.2022年度においては状況をみつつ,対面出席を増やしていく必要があると感じている.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度においては,界面と熱との相互作用により生じる諸現象(熱機能コア)の解析を進める.高温下における構造相転移挙動やそのメカニズムの解析を進めるとともに,表面吸着や,界面構造を理解するためのデータ解析手法の開発を進める.さらに,原子間ポテンシャルの開発を進める.また,構築済の原子間ポテンシャルを用いた効率的な大域的構造探索の手法開発および応用を実施する.さらに,より大規模な機能コア計算を目指し,GPUの利用を対象とした原子間ポテンシャル計算の高速化を行う.他にも,Decision Diagramに基づいた結晶構造列挙手法を応用し,様々な制約下での機能コアパターン列挙手法の検討を行う.これまでに開発した固体内拡散の高精度・高効率解析手法を活用して,各種電気化学デバイスの電解質・電極材料として期待される種々イオン伝導性・電子-イオン混合伝導性材料の第一原理解析を実施する. さらに,計測可能データと機械学習との連携も深めていく.これまでにスペクトルから種々の物性を予測することに成功している.2022年度以降は同研究をさらに発展させる. また,ポストコロナの動きが世界中で進んでいる中で,班内外・国際連携を深める必要性があると感じている.コロナ禍において構築したSNSやオンライン会議ツールもフルに活用するとともに,対面での情報発信やコミュニケーションも増やしていく.
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Research Products
(48 results)