2020 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical research on new particle physics models and the evolution of the early universe unravelling the origin of matter
Project Area | Unraveling the History of the Universe and Matter Evolution with Underground Physics |
Project/Area Number |
19H05810
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱口 幸一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (80431899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 重貴 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (00451625)
柳田 勉 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 客員上級科学研究員 (10125677)
Melia Thomas 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任助教 (30814909)
長峯 健太郎 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50714086)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 標準模型を超える物理 / 暗黒物質 / 宇宙の物質反物質非対称性 / ニュートリノ質量の起源 |
Outline of Annual Research Achievements |
濱口は、領域内の別の計画研究の分担者らとの共同研究により、将来のアクシオン・ヘリオスコープ検出器を用いた超新星アクシオン検出の可能性を議論し、O(100)pc以内の近傍超新星由来のアクシオンを検出しうることを明らかにした。 松本はTeVスケールの重い熱的暗黒物質について、地下実験における直接探査と相補的な役割を果たす間接及び加速器探査の研究を行った。前者では、重要な役割を果たす矮小楕円体銀河の暗黒物質分布について新しい手法を開発しJ因子を評価した。後者では、Drell-Yan過程を用いた間接シグナルについて非摂動効果を取り入れ評価した。 長峯は、冷たい暗黒物質(CDM)に基づいた宇宙論的流体シミュレーションを用いて宇宙におけるCDMとバリオンの分布の違いについて研究を進めた。スペインと名古屋大との共同研究においては、そのバイアスのスケール依存性を定量的に評価した。また、CDMモデルの妥当性の検証につながると期待される中性水素の3次元分布に関しても、観測プロジェクトとの比較を実施した。 NANOGrav観測グループが2020年度に重力波と考えれる事象を発見した。一方、LIGOの重力波観測は太陽質量の数十倍の質量を持つ原子ブラックホールの合体で説明できる。柳田は川崎らとの共同研究でNANOGravの重力波とLIGOの観測を同時に説明できる模型を発見した。 Melia developed a new effective field theory to describe gapped vibrational interactions in crystals, based on a particular breaking pattern of Lorentz symmetry. This EFT can describe the interactions of low-energy phonons in materials such as bi-layer graphene, providing predictions for e.g. phonon decay rates. It can also be utilized to calculate the scattering of light dark matter off collective modes in crystals that have been proposed for direct detection experiments.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・論文リストや学会発表リストにあるように、代表者・分担者ともに順調に研究業績をあげている。 ・2020年5月27日には同研究領域の計画研究E02とオンライン合同勉強会を開催した。E01(標準模型を超える物理)とE02(超新星の物理)の双方からチュートリアル講演があり、研究交流、および今後の連携研究の可能性の議論が行われた。 ・2021年2月12日と15日にオンライン研究会「ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊とその周辺」を主催した。(参加者150名以上。)素粒子・原子核の両分野からの講演を通して分野を超えた情報交換・研究交流をはかることも出来た。 ・以上のように領域内外の分野を超えた研究交流においても進捗があった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、本計画研究の目的である (1)宇宙の物質反物質非対称性の起源およびニュートリノ質量生成機構の解明、 (2)暗黒物質の正体・起源の解明、 (3) (1), (2) を含む新たな素粒子模型・宇宙シナリオの構築、 のため、代表者・分担者・博士研究員によって、インフレーションから物質反物質非対称性の生成、暗黒物質生成、宇宙の構造形成までの研究を進めていく。 また2021年度は本計画研究(E01)主催のオンライン国際研究会、第二回E01-E02合同勉強会、A01,A02と合同のニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊に関する研究会(またはスクール)などの研究会合を予定しており、計画研究の枠を超えた連携もさらに強化していく。
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Research Products
(55 results)