2008 Fiscal Year Annual Research Report
卵および初期胚における遺伝子発現リプログラミングの調節機構
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
20062002
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 不学 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (20175160)
|
Keywords | 遺伝子発現 / リプログラミング / 着床前初期胚 / 卵 / 新生血RNA |
Research Abstract |
受精前後における遺伝子発現リプログラミング機構の解明に向けて、まず活発に遺伝子を発現している成長中の卵と受精後の初期胚において、リアルタイムに発現している遺伝子のプロファイルを作成することを目標とした。そこで、卵あるいは受精直後の胚に大量に蓄積された母性mRNAから、新しく合成されたmRNA(新生mRNA)を単離する必要があり、そのための手法として申請者らにより開発された新生mRNA単離法を用いることにした。すなわち、卵あるいは胚にプロモ標識したUTP(BrUTP)を取り込ませ、抗BrU抗体で沈降させることによってBrUを取り込んだ新生mRNAを単離し、マイクロアレイで解析するという方法である。 平成20年度にはこの方法の確立と1細胞期胚での新規発現遺伝子の解析を行った。その結果、BuUTPを取り込ませないものをコントロールとして、マイクロアレイのシグナル強度で5倍以上の差があった遺伝子が89あり、これらを1細胞期での発現遺伝子の候補とした。これらの発現をRT-PCRで調べたところ、69の遺伝子で発現が確認された。さらに、1細胞後期において、α-amanitinで転写を抑制したものと比べて有為に発現量が多かったものは確実に1細胞期に転写されている遺伝子といえるが、このような遺伝子が11個見つかった。これらは、受精後に最初に発現する遺伝子であり、受精後の遺伝子発現開始機構の解析において有用なマーカー遺伝子となることが期待される。
|
Research Products
(4 results)