2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
20062006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 隆司 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (30322770)
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Keywords | 幹細胞 / 精子形成 / 自己複製 / 移植 |
Research Abstract |
精子幹細胞はglial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF)とbasic fibroblast growth factor (bFGF)の存在下で試験管内で増殖することができる。しかしながら、そのメカニズムは分かっておらず、この増殖メカニズムを明らかにすることで、精子幹細胞の増殖および分化を自在に制御できる可能性がある。本年度の研究で我々は培養されたマウス精子幹細胞に活性化型H-Rasを導入し、精子幹細胞の自己複製分裂を外来のサイトカインがない状態で試験管内で誘導することに成功した。一方、Rasのdominant negative体を導入された精子幹細胞は生存できないことから、Rasの活性化は精子幹細胞の自己複製に必要十分条件であることが分かった。精子幹細胞はRasの下流分子であるサイクリンD2とE遺伝子を導入した場合でも外来のサイトカインがない状態で増え続けることから、Ras-cyclin D2/Eの経路が精子幹細胞の自己複製に中心的な役割を果たしていることが明らかになった。RasV12とサイクリン遺伝子を導入された細胞は両者とも精原細胞の分化マーカーを発現し、精子型のゲノムインプリンテイングを保持したまま4ヶ月の間増殖し、外見上は正常な精原細胞の表現型を示すが、これらの細胞を精巣内に移植すると、H-RasV12を導入した細胞は精子形成を完成するが、サイクリンを導入した細胞では未分化な精原細胞の集積が認められるのみであった。しかしながら、両者ともセミノーマを形成し、過剰な自己複製の刺激が精巣腫瘍を誘発することが分かった。
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Research Products
(6 results)