2008 Fiscal Year Annual Research Report
精子形成におけるエピジェネティック制御とsmall RNA
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
20062007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仲野 徹 Osaka University, 生命機能研究科, 教授 (00172370)
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Keywords | PIWIファミリー / 精子形成 / DNAメチル化 / ピストン修飾 / small RNA / MILI / MIWI / TDRD1 |
Research Abstract |
MILIはマウスPIWIファミリー遺伝子の一つであり、レトロトランスポゾンの遺伝子サイレンシングやsmall RNAの一つであるpiRNAの生合成に関与している。すでに、胎仔の生殖巣において精子形成におけるde novo DNAメチル化に関与することを報告している。本年度は、(1)MILI結合タンパクの探索、および、(2)MILI欠損マウスの雄性生殖細胞におけるピストン修飾解析、をおこなった。(1)成体精巣におけるMILIの機能を解析するため、MILI結合タンパクの同定をおこなった。免疫沈降法ならびにマス解析により、MILIと同様に精子形成に関与する蛋白であるTDRD1がMILIに結合することが明らかとなった。また、TDRD1は、もう一つのマウスPIWIファミリータンパクであるMIWIとも結合することがわかった。これらのタンパクの細胞内局在を解析したところ、MILI、MIWIとTDRD1とは三者複合体を形成することが示唆された。さらに、MIWI欠損マウスの円形精子細胞では、MILIおよびTDRD1の細胞内局在が異常になり、精子形成に必須とされるchromatoid bodyの形成異常も認められた。これらの結果から、TDRD1、MILI、およびMIWIのタンパク複合体形成が精子形成に必須であることがわかった。 (2)DNAメチル化と抑制性のピストン修飾は密接な関係を有していることが知られている。そこで、MILI欠損マウスにおけるピストン修飾についての解析をおこなった。その結果、MILI欠損マウスでは、H3K9me2やH3Kgme27といった抑制的なピストン修飾が認められないことが明らかとなった。一方、de novo DNAメチル化が生じなくとも、抑制的なピストン修飾が生じることから、両者は独立に生じる、あるいは、抑制的なピストン修飾がde novo DNAメチル化を誘導すると結論できた。
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[Journal Article] Endogenous siRNAs from naturally formed dsRNAs regulate transcripts in mouse oocytes2009
Author(s)
Watanabe T, Totoki Y, Toyoda A, Kaneda M, Kuramochi-Miyagawa S, Obata Y, Chiba H, Kohara Y, Kono T, Nakano T, Surani MA, Sakaki Y, Sasaki H
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Journal Title
Nature 453
Pages: 539-543
Peer Reviewed
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[Journal Article] DNA methylation of retrotransposon genes is regulated by Piwi family members MILI and MIWI2 in murine fetal testes2008
Author(s)
Kuramochi-Miyagawa S, Watanabe T, Gotoh K, Totoki Y, Toyoda A, Ikawa M, Asada N, Kojima K, Yamaguchi Y, Ijiri T, Hata K, Li E, Matsuda Y, Kimura T, Okabe M, Sakaki Y, Sasaki H, Nakano T
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Journal Title
Genes Dev 22
Pages: 918-930
Peer Reviewed
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