2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
20062010
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 裕之 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (30183825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦 健一郎 国立成育医療センター(研究所), 周産期病態研究部, 部長 (60360335)
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Keywords | 発生・分化 / 発現制御 / 生殖細胞 / エピゲノム / ゲノム刷込み |
Research Abstract |
配偶子エピゲノム形成機構を明らかにするため、平成22年度の交付申請書の実施計画に沿って以下の研究を行った。(1)de novo DNAメチル化酵素複合体と相互作用する可能性のある3つの候補因子について、蛋白質の修飾に着目して結合の確認を試みたが再現性のある結果は得られなかった。酵母2ハイブリッド法における非特異的結合の可能性が高いと判断し、この研究は中止することにした(研究分担者の秦)。(2)MiTOPLD/Zuccini遺伝子をマウスでノックアウトし、この遺伝子産物が生殖顆粒の形成やpiRNAの生合成に必須であることを報告した。この雄マウスは精子形成不全と不妊を呈し、精巣内の生殖細胞でレトロトランスポゾンの脱抑制が観察された。(3)このノックアウトマウスを用いてpiRNAに依存するインプリンティングが存在することを見つけた。現在如何なる因子がこの経路に関わるのか調べている。(4)アイコンプローブ(5-メチルシトシンに高い親和性を示す)を用いた蛍光in situハイブリダイゼーションとオスミウム処理による固定化で、マウスのみならずヒトのサテライト配列のメチル化を単一細胞レベルで可視化することに成功した。シングルコピー配列の検出を目指しているが、安定した結果を得るにはさらなる工夫が必要である。(5)卵子ゲノムに高頻度で非CpGメチル化が存在することを発見した。高頻度非CpGメチル化はこれまでヒトES細胞とiPS細胞でしか見つかっておらず、その発生における意義が注目されている。そこで次世代シーケンサーを用いた非CpGメチル化のゲノムワイドマッピングを行い、現在データの解析を進めている。これにより非CpGメチル化に関わるメチル化酵素と標的配列を同定したい。
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