2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
20062012
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小倉 淳郎 The Institute of Physical and Chemical Research, 遺伝工学基盤技術室, 室長 (20194524)
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Keywords | 核移植 / 生殖細胞 / 胚盤胞 / 遺伝子発現 / マウス / 再プログラム化 |
Research Abstract |
本計画研究は、生殖細胞の全能性獲得の機構(あるいはその準備)こそが次世代にゲノムを伝える生殖細胞の本質であるとの認識をもとに、それがいつどのように生じるか、そしてその際にゲノム上にどのようなエピジェネティクス変化が起こっているかを明らかにする。体細胞クローンにおいて胎盤異常を生じさせる遺伝子を同定する目的で単一胚盤胞の遺伝子発現パターンをマイクロアレイ法を用いて解析し、体細胞クローンはX染色体上の遺伝子が特異的に低下し、その中に胎盤異常に密接に関わる遺伝子が含まれていることを明らかにした。一方、胎盤過形成が生じない129クローンにおいては、一部の遺伝子の発現が改善する傾向が見られた。しかしKOマウスを用いた実験からこの胎盤異常にはXist遺伝子は無関係であることが明らかになった。また、ヒストンメチル化酵素(G9a)で抑制されていることが知られている遺伝子が低下していることから、G9aのRNA干渉実験を行ったが、生まれたクローンの胎盤は大きいままであった。2細胞期胚でもマイクロアレイ法で解析する技術を開発し、効率の良いクローン(ドナー細胞と遺伝子型の組合せ)で改善のする胚性遺伝子を10個ほど同定することができた。クローンキメラ胎盤の解析を行い、異常胎盤の原因は細胞内因性ではなく、外部因子の影響であることを明らかにした。本研究は最初に、非常に微小な胚を用いた信頼できる遺伝子解析技術、特にマイクロアレイ法を開発する必要がある。これまでに2細胞期胚および胚盤胞を用いて再現性の高い結果を得られるところまで到達し、ほぼ順調に進んでいる。
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Research Products
(5 results)