2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
20062012
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小倉 淳郎 独立行政法人理化学研究所, 遺伝工学基盤技術室, 室長 (20194524)
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Keywords | 核移植 / 生殖細胞 / 胚盤胞 / 遺伝子発現 / マウス / 再プログラム化 |
Research Abstract |
本計画研究は、生殖細胞の全能性獲得の機構(あるいはその準備)こそが次世代にゲノムを伝える生殖細胞の本質であるとの認識をもとに、それがいつどのように生じるか、そしてその際にゲノム上にどのようなエピジェネティクス変化が起こっているかを明らかにする。昨年に引き続き、XistノックアウトアレルがXa上に存在するドナー細胞を用いてクローンを行ったところ、雌の卵丘細胞クローンおよび雄の新生仔セルトリ細胞のいずれも出生率が8-9倍上昇した。安定して胚移植当たり10%異常の出生率が得られ、マウスクローンの発生異常に関わる因子のうち相当多くが正常化したものと考えられる。一方、Xist非依存性の発現低下を示していたヒストンH3K9ジメチル領域(MageaおよびXlr遺伝子群を含む)の正常化のために、ヒストンメチル化酵素の阻害や脱メチル化酵素のmRNA注入を行った。しかしながら、クローン胚盤胞におけるこれらの遺伝子の発現上昇には至らず、これらのヒストン修飾には強固な維持制御が働いていることが示唆された。一方、Xistノックアウトでも体細胞クローン特異的な胎盤形成異常(後期の過形成など)が残っていることから、新たな原因解明を開始した。まずは着床直後の胚のマイクロアレイ解析を実施し、胚体外組織における胎盤関連遺伝子が成熟型の発現パターンを示していることを明らかにした。これは、未分化型胎盤細胞が極めて少ないクローン初期胎盤組織像所見と一致している。今後、この原因解明を進める予定である。
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Research Products
(7 results)