2009 Fiscal Year Annual Research Report
純良単結晶育成とドハース・ファンアルフェン効果によるフェルミ面の研究
Project Area | Emergence of Heavy Electrons and Their Ordering |
Project/Area Number |
20102002
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
播磨 尚朝 Kobe University, 理学研究科, 教授 (50211496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 惇睦 大阪大学, 理学研究科, 教授 (40118659)
青木 晴善 東北大学, 理学研究科, 教授 (60302246)
芳賀 芳範 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 主任研究員 (90354901)
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Keywords | 強相関電子系 / 結晶育成 / 電子構造 / 低温物性 / 磁性 / 量子臨界点 / フェルミ面 / 超伝導 |
Research Abstract |
1) 新物質の探索:アクチノイド金属間化合物の探索を行い、新たにURu_2Al_<10>、UOs_2Al_<10>を発見し物性を同定した。(芳賀)4)にあげた新しいYb化合物の育成にも成功した。(大貫) 2) 圧力下の物性研究:反強磁性体であるCeIrSi_3、CeCoGe_3、CeIrGe_3はそれぞれ約2、7、25GPaの圧力下で磁気秩序が消滅し、重い電子系超伝導体になることを圧力下電気抵抗測定から明らかにした。(大貫) 3) 量子臨界点近傍での電子状態とフェルミ面の変貌:結晶反転対称性を持たない圧力誘起超伝導体CeRhSi_3のフェルミ面の研究に関して、参照物質のf電子が遍歴であるCeCoSi_3の純良単結晶を用いたフェルミ面の研究を行ない、CeRhSi_3のフェルミ面とは異なることを明らかにした。(青木) 4) Yb化合物における4f電子の遍歴性の検証:Y立方晶の重い電子系YbT_2Zn_<20> (T : Co、Rh、Ir)の単結晶育成に成功し、メタ磁性転移を見出した。例えばYbIr_2Zn_<20>ではH_m=10Tでメタ磁性転移が起き、サイクロトロン有効質量、電気抵抗のA値、あるいは比熱係数C/Tは、転移磁場H_m=10Tでピークを持つことを見出した。これは、ネール点T_Nに変わって、Yb化合物ではメタ磁性の転移磁場H_mが電子状態を変える指標となることを示唆している。(大貫) 5) 重い電子系形成に関わるf電子の役割:URu_2Si_2における17.5Kの非磁性相転移は25年間にわたって秩序変数が同定されずに隠れた秩序と呼ばれていたが、空間群の群論的考察によりこの秩序状態が格子歪みと結合しない電子間相互作用に起因した新奇な電荷秩序状態であることを提案した。今後、この相の電子状態やフェルミ面が明らかになり、秩序相内の超伝導の研究も格段に進むと期待される。(播磨)
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Research Products
(131 results)