2012 Fiscal Year Annual Research Report
先端光電子分光によるf電子系化合物の高精度バルクフェルミオロジー
Project Area | Emergence of Heavy Electrons and Their Ordering |
Project/Area Number |
20102003
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
横谷 尚睦 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (90311646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 浩志 独立行政法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (20239867)
関山 明 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40294160)
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Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | f電子系化合物 / 重い電子 / 電子状態 / フェルミ面 / 量子臨界点 / バルク高精度光電子分光 / 角度分解光電子分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究提案において我々はバルク高精度光電子分光により、f電子系化合物のフェルミ面や電子構造の温度依存性さらには超伝導や磁性転移等による特徴的な電子構造を観測することにより、f電子系化合物における重い電子状態の形成および超伝導と磁性等の共存の機構解明を目的として研究を行った。本年度の主な研究成果を以下に示す。 (1) Ce化合物の軟X線ARPESをCeFe2, CeAgSb2, CeNi2Ge2, CeCu2Ge2に対して行った。混成が強く4f電子が遍歴的と考えられるCeFe2ではCe 4fバンド分散というべき明確なARPESスペクトルの運動量依存性が見られた。CeAgSb2ではフェルミ面は強束縛近似計算よりも第一原理計算結果でよく再現されることが判明した。CeNi2Ge2においては8, 60 Kの間で顕著な温度変化を観測したが4f電子が局在的なCeCu2Ge2では温度変化が観測されなかったことから、この温度変化が温度変化による重い電子系形成過程を反映していると結論づけることに成功した。(2)価数揺動系 YbRu2Si2 の軟X線ARPESを行った。スピン軌道分裂したYbの4fバンドとRhの4dバンドの明瞭な分散が観測された。局所密度近似による相対論的バンド計算結果との比較から、4fバンド以外のバンド分散は 4f状態のない LuRu2Si2の結果と良く一致することがわかった。この結果は Yb 4f から Yb 5dへの電荷移動によって説明できる。 (3) CeT2Al10(T=Fe, Ru, Os)のT=Rn, Osで観測される低温相転移の機構解明のために高分解能光電子分光を行った。混成による電子構造と相転移に関連する電子構造変化を区別して観測することに成功し、この転移に電子構造の変化が関与することを示した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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