2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラットリング物質の探索・創製と電子・格子物性の研究
Project Area | Emergence of Heavy Electrons and Their Ordering |
Project/Area Number |
20102004
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高畠 敏郎 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (40171540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 仁 神戸大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60264587)
関根 ちひろ 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60261385)
武田 直也 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80242171)
伊賀 文俊 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 准教授 (60192473)
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Keywords | 物性実験 / 磁性 / 強相関電子系 / 低温物性 / 近藤効果 / ラットリング / カゴ状物質 / 高圧合成 |
Research Abstract |
1.カゴ状近藤化合物CeOs_2Al_<10>が28.5Kで起こす2次相転移は反強磁性転移であることを確認し,より高い39Kから電荷不安定性によるギャップがb軸方向で発達することを見出した。I型クラスレートBa_8Ga_<16>Sn_<30>では,Baゲストの非中心ラットリングモードの寿命は低温で短くなり,通常の振動モードの温度変化と逆であることを見出した。 2.CeT_2Al_<10>(T=Fe,Ru,Os)の比較物質であるRT_2Al_10(R=La,Pr)の純良単結晶育成を行い,電気抵抗や磁化測定からそれらの基礎物性を明らかにした。特にLaRu_2Al_<10>のdHvA効果の観測によりフェルミ面やサイクロトロン有効質量を決定した。 3.超高圧合成法により新しい充填スクッテルダイト化合物のBaRu_4As_<12>とBaOs_4As_<12>の合成に成功した。電気抵抗,磁化率,磁化過程の測定により,BaRu_4As_<12>は低温まで常磁性状態に留まるが,BaOs_4As_<12>は2K付近で超伝導転移することを見出した。 4.ラットリング系R_3Pd_<20>Ge_6と同型構造のMn_3Pd_<20>P_6とMn_3Ni_<20>P_6のバルク試料作成に成功し,Mn_3Pd_<20>P_6については単結晶化にも成功した。充填スクッテルダイト超伝導体LaOs_4P_<12>のLaをCeで置換すると,臨界磁場が上昇すること,超伝導転移点直上に存在する未知の相転移に伴い電気抵抗が増加することを発見した。 5.超高圧(15GPa)での焼成により合成に成功した新ホウ化物SmB_<12>は,17Kで相転移を起こす金属であり,結晶場基底状態は4重項であることを見出した。その比熱は14Tまでの磁場に対して変化せず,低温で格子体積が膨張するので,相転移は強的多極子秩序の可能性が高いことを指摘した。
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Research Products
(184 results)