2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Emergence of Heavy Electrons and Their Ordering |
Project/Area Number |
20102007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榊原 俊郎 The University of Tokyo, 物性研究所, 教授 (70162287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 正人 岩手大学, 工学研究科, 教授 (30220619)
徳永 陽 日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (00354902)
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Keywords | 多極子 / 重い電子 / 近藤効果 / 磁気相図 / 量子相転移 |
Research Abstract |
・「3非クラマースニ重項基底状態を持つPrMg3の低温磁化を精密に調べ、4f電子の磁化率がバンブレック領域でも温度の1/2乗に従ってわずかに上昇し続けることを見いだした。これは伝導電子との混成効果によるものと考えられ、この系における近藤効果の可能性を示唆している。またパイロクロア構造を持つ近藤格子系Pr2I207のμSR測定を行った結果、低温までPrは磁気秩序を示さず、Prのモーメントは少なくとも50mKまで液体状態にあることが示唆された(物性研グループ)。 ・Yb原子を含む重い電子系物質で量子臨界点近傍に位置すると考えられるYbTr2Zn20(Tr : Co, Rh, Ir)および、価数揺動系多重転移を示すYbPdについて弾性定数の測定を行なった。前者でTr=CoにおいてはYbイオンめ4f準位全体がほぼ縮退しており、伝導電子と渾然一体となった状態で低温物性を支配していること、この縮退がフェルミ準位近傍の大きな状態密度および4f準位と伝導電子との揺らぎを演出し著しく巨大な電子比熱係数を形成している可能性があることを指摘した(吉澤グループ)。 ・La希釈したPrPb3においてLa-NMR測定を行い、低温でLa核の核磁気緩和率の異常な増大を観測し、それが増強されたPr核の磁気揺らぎによるものとして理解できることを示した。またUPd3において2つのPdサイトのNQR信号を同定し、四極子秩序相におけるスペクトル分裂を確認した。これにより四極子秩序の起源となるUサイトを同定した。さらに平成21年度に実施する超ウラン化合物の実験準備も進め、Np化合物および(Pu, Am)02においてNMR測定を行った(徳永グループ)。 ・SmFe4P12においてdHvA振動がまだ観測されていない重い準粒子バンドの特徴を電子輸送効果測定により明らかにした。SmOs4Sb12では重い電子状態に現れる弱い強磁性状態の微視的状態をμSRにより探った。超伝導体PrOs4Sb12では試料育成条件を変えることにより、超伝導特性とPrイオンの結晶場準位構造が強く相関していることを見出した(青木グループ)。
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Research Products
(21 results)