2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Optical science of dynamically correlated electrons in semiconductors |
Project/Area Number |
20104003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井元 信之 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (00313479)
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Keywords | 量子情報処理 / 単一光子 / エンタングルメント / 非線形光学効果 / 動的多体量子効果 / 微小共振器 / 光子統計 / 量子トモグラフィ |
Research Abstract |
量子力学の非局所性や非古典的な量子状態を制御することで超並列の情報処理や究極の信頼性を保証する暗号通信を達成する量子情報技術の発展が非常に期待されている。現在の情報技術における光の役割と同様に、量子情報技術において光に期待される役割は大きく、光の非古典的状態発生及び非局所性を示すエンタングルメント光発生はもとより、その究極的な制御と測定技術の開拓が求められている。また、必要な規模の量子演算を行うために最低限要求される最子情報技術はどの程度のものかを定量的に検討し、光を含む複合物理系での実現可能性を探ることも重要となる。本年度は特にこのような複合物理系に必須な肚子インターフェースの研究を行った。更に実現可能な量子情報技術の更なる可能性を追求するために、大規模量子演算に必要な光を含めた複合物理系に要求される量子演算の精度に関して知見を得ることを目標にいくつかの量子演算モデルの検討を始めた。量子計算が発案されたころに盛んに研究されていた量子回路を利用した量子演算モデルとは異なる量子演算モデルにより、より現実的な量子演算で可能な量子計算について検討を行った。特にトポロジカル量子計算モデルを適用し、物理系の構造を見直すことで、従来考えられてきた雑音閾値を一桁上回る非常に耐性のある現実的な量子計算モデルの構築に成功した。このモデルは本領域で検討されている物理系以外にも広く適用可能な一般的なモデルであり、本領域を超えて新たな量子計算の可能性を示唆するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(1)実験研究がNature Communicationsに掲載されたこと。(内容は光子量子情報送受の最後の関門であった「広帯域な可視→通信波長帯変換」の実証) (2)新任の理論担当ポスドクが早くもPRA二本出版したこと。(内容は、4準位系を用いた誤り耐性のある量子コンピューティングの提案)
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Strategy for Future Research Activity |
理論研究については、実際の半導体や量子ドットを念頭に、量子ビット損失や雑音に対する許容度を飛躍的に向上させる量子情報処理のアーキテクチャーの新提案の余地がまだまだあるため、これを推進する。実験研究については単一光子から複数の(しかし決まった数を制御しつつ)光子の発生や検出およびそれを利用する処理について耕究を進める。マイクロトロイダル高Q共振器については全ての基本となるslowing downの実験を一層進めると共に、光・光制御の礎を築く。
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Research Products
(43 results)