2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Research on the Emergence of Hierarchical Structure of Matter by Bridging Particle, Nuclear and Astrophysics in Computational Science |
Project/Area Number |
20105002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大野木 哲也 Osaka University, 理学研究科, 教授 (70211802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藏増 嘉伸 筑波大学, 数理物質科学研究科, 准教授 (30280506)
山田 憲和 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (50399432)
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Keywords | 格子QCD / 真空構造 / ハドロン / フレーバー物理 / 計算機シミュレーション |
Research Abstract |
JLQCD collaborationによる厳密なカイラル対称性をもつOverlap fermionによる3フレーバーのfull QCDシミュレーションで得られたサイズ2fm、格子間隔0.12fmのゲージ配位を用いてカイラルダイナミクスの検証を行った。クォークのスペクトル関数のカイラル摂動論との比較、低エネルギー定数の決定、パイ中間子の形状因子の決定などが主な成果である。これにより、現実的なQCDの真空およびカイラルダイナミクスに関する現象を格子ゲージ理論から探究する手法が確立した。 また厳密な対称性を利用して、真空偏極からの強い相互作用の結合定数の決定を行った。 PACS-CS collaborationによるO(a)-改良されたWilson fermionによる3フレーバーのfull QCDにおいて、格子サイズ3fm格子間隔0.09fmのゲージ配位を用いて、物理的なクォーク質量直上でのシミュレーションに成功した。軽いクォークからなるバリオンも含む様々なハドロンの質量スペクトル、崩壊定数などの基礎的物理量の決定を行った。共鳴状態を除く多くのハドロンに対し実験値の5%の誤差範囲内で再現することに成功した。この成果をもとにハドロン相互作用に関する研究の進展が期待できる。またクォークの真空偏極を無視する近似でヘリウム原子核を量子色力学の第一原理から求める計算を行った。
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Research Products
(5 results)