2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Research on the Emergence of Hierarchical Structure of Matter by Bridging Particle, Nuclear and Astrophysics in Computational Science |
Project/Area Number |
20105003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
初田 哲男 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (20192700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 孝治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20201379)
藤井 新一郎 九州大学, 高等教育開発推進センター, 助教 (90401166)
中村 純 広島大学, 情報メディア教育センター, 教授 (30130876)
中務 孝 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 准主任研究員 (40333786)
青木 慎也 筑波大学, 数理物質科学研究科, 教授 (30192454)
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Keywords | 格子QCD / 原子核構造 / 中性子星 / ストレンジネス / 不安定核 / 時間依存密度汎関数 / 核力 / ハイペロン力 |
Research Abstract |
本計画研究の主要目的は、素粒子物理学と原子核物理学の研究者が連携をとりながら、格子QCDを用いた核力研究を進展させ、フルQCD計算により、核力やバリオン間相互作用の全解明を目指すとともに、その結果に基いた大規模数値計算により原子核構造論、ハイパー核構造論、中性子星内部の高密度物質の構造論を系統的に展開することである。特に今年度は以下のような進展が得られた。 1. クォークの真空偏極を取り入れたフルQCD計算により、核力の中心力、テンソル力を定性的に導出することに成功した。今後、より軽いクォーク質量と大きな格子サイズでの定量的計算につなげていく予定である。また、AN相互作用や、より一般にハイペロン相互作用についても、フルQCD計算を行った。さらに、KN相互作用やクォーク-反クォーク相互作用などの新しいチャンネルへの拡張について検討を始めた。 2. 核力の短距離部分に関する理解を深めるために、演算子展開を持いた解析的研究を行い、数値シミュレーションで得られている斥力芯の構造や、テンソル力の短距離成分との比較を行った。 3. 現象論的に知られている現実的核力とUMOA法を用いて、これまでで最も重いNi56原子核の基底状態エネルギーの第一原理計算を初めて成功させた。 4. 中性子過剰領域での酸素同位体における3体力の効果の重要性を明らかにした。 5. モンテカルロ殻模型の新しい数値計算コードとアルゴリズムを開発し、従来に比べて2倍の高速化を達成した。 6. 時間依存密度汎関数理論の有限振幅法を用いて、広範囲の原子核の電気双極子応答の数値計算を展開した。 7. 高密度QCDを扱う上でのカノ二カル分配関数の方法をウィルソンフェルミオンの場合に定式化し、テスト計算を行った。
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Research Products
(10 results)