2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体機能性樹状高分子を用いたソフトインターフェースの設計
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
20106003
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 佳子 九州大学, 工学研究院, 教授 (00335069)
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Keywords | デンドリマー / 界面 / 糖鎖 / タンパク質忌避活性 / 表面エネルギー |
Research Abstract |
規則正しい枝分かれ構造と精密なナノ構造を持つ樹状高分子を利用して、生体機能性バイオインターフェースの設計、機能の解析を行った。この高分子を金微粒子、金基板、ガラス基板に結合させた界面を作製した上で、生理活性糖鎖を結合させて、多価効果を発揮して、タンパク質と強く相互作用する基材を作製した。マンノースを結合させた界面では、レクチンに対して特異的な認識作用を示し、その多価効果による増強作用は糖鎖の密度によって大きく異なった。同様の界面にグロボビオース(Gb2)を結合させた場合には、顕著な多価効果が認められた。認識特異性については糖鎖の密度ではなく、固定化させる糖鎖構造に依存していた。 このような樹状高分子固定化界面ではナノレベルの凹凸に基づいて、界面に固定化した官能基の性質が強調されていた。カルボン酸アニオンを樹状高分子末端として固定化した界面では、官能基の高密度三次元配置に伴って表面エネルギーが高くなり超親水性を示した。また、こうした界面では、分子間斥力が強く作用するようになって、樹状高分子であるデンドリマーの世代が高くなるにつれて、タンパク質の付着が抑えられることがわかった。デンドリマー末端に、ホスフォリルコリンやオリゴエチレングリコールといった官能基を結合させると特にタンパク質忌避活性が高くなり、第1世代デンドリマーと第4世代デンドリマーを比較するとタンパク質の付着量が5分の1以下に抑えられていることがわかった。
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Research Products
(25 results)