Research Abstract |
本研究では,両親媒性高分子が自己組織化により形成する界面高分子ブラシの構造・特性と分子特性の相関を明らかとすると共に,界面系であるが故に発現する性質・機能・応答,密生系であるがゆえに発現する諸現象を,定量的に明らかとする.特に,本申請者が世界に先駆け発見した絨毯層/ブラシ層の構造転移に着目し,それらを応用・発展させて新たなソフトインターフェースを構築し,機能材料へと応用する試みに対して,その基盤となるナノ構造および特性に関する定量的データ・指針を,分子レベルおよび界面組織体レベルで,集積・提供することを目的とする.領域内他班にて推進されるソフトインターフェース研究に対して,本班は,基礎的物理化学の見地から高分子界面密生相特にイオン性高分子ブラシに対する構造,特性に関する情報を提供することにより,本研究全体の飛躍的進展が期待される.イオン鎖と疎水鎖からなる両親媒性ジブロックコポリマーをリビングラジカル重合法を駆使して,その鎖長,鎖長比を制御して合成し,その水面単分子膜中に形成される高分子電解質ブラシのナノ構造を表面圧-面積曲線(π-A等温線)とX線反射率(XR)測定により解明するとともに,ブラシ密度や塩濃度の変化に伴う,ナノ構造の転移現象を追跡し,高分子電解質ブラシの形成機構を解明し,その普遍性と特異性を明らかとする.
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