2012 Fiscal Year Annual Research Report
3次元ナノ相分離膜構造と高感度分子認識能の動的解析
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
20106008
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 縁 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 上級主任研究員 (40357132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 恭子 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (50358321)
田中 睦生 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, バイオ界面研究グループ長 (70344108)
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Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 自己組織化膜 / 金電極 / 糖鎖 / 非特異吸着抑制 / 表面プラズモン共鳴 / レクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
人工合成糖鎖によりレクチン(タンパク質)を高感度に検出する際に、糖鎖の周辺を自由度の高い非特異吸着抑制能を有する分子で取り囲み、高感度な検出を行ってきたが、これに電気化学活性基を取り入れ、外部より電位刺激により認識膜の構造を変化させることにより、より一層の高感度検出の実現に向けて研究を進めた。糖鎖の周りを埋める分子として、一電子の酸化還元を行うフェロセンを末端に有するフェロセニルアルカンチオール類を採用し、非特異吸着抑制分子かつ電位によって膜のダイナミクスを変化させるための分子として用いた。昨年度までに、電位を与えることによってレクチンの認識が高まることを予備的に得ていたので、今年度は、電位刺激によってレクチン(タンパク質)の高感度認識がなぜ誘因されるのかについて、電気化学と光学変化(表面プラズモン共鳴(SPR))、電気化学と水晶振動子マイクロバランス(QCM)法を組み合わせて、外部刺激(電位)の有無とレクチン(タンパク質)認識能の強弱、非特異吸着抑制の有無、糖とレクチンの相互作用能の変化追跡などを確認した。 金表面に固定した糖鎖分子の周りをフェロセン含有分子で埋め、各種レクチンの検出をSPR法にて測定を行ったところ、フェロセンが酸化される電位(+0.5 V 対 銀塩化銀電極)を基板に与えた際に、レクチンの吸着量が数倍~十数倍増大した。検出限界についても電位有りの場合の方が大きく改善され、nMレベルの検出が可能になった。電気化学QCMによる測定で、電位印加のある場合と無い場合それぞれにおいてレクチンの濃度を変えて吸着応答を測定し、糖とレクチン間相互作用の結合速度定数、解離定数を求めたところ、電位有りの場合が結合速度定数、解離定数ともに改善し、相互作用が大きく高まる傾向にあることがわかった。抗体を用いない糖鎖だけでのレクチンの検出法確立に向けて大きく前進した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)