2009 Fiscal Year Annual Research Report
半導体/生体分子ナノ界面の構築と遺伝子トランジスタへの応用
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
20106013
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
宮原 裕二 National Institute for Materials Science, 生体材料センター, センター長 (20360399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松元 亮 東京大学, 工学系研究科, 助教 (70436541)
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Keywords | 電界効果トランジスタ / デバイ長 / スマートゲル / 信号変換 / 二重応答性 |
Research Abstract |
FET法の最大の弱点は電気二重層(デバイ長)により規定される検出距離限界であり、これがタンパクや長鎖DNAの検出を難しくしている。これを克服する新たな「信号伝達素子」として「スマートゲル」と呼ばれる刺激応答性の高分子ゲルを用いた動的ナノ界面を開発し、その動作機序について実験、理論の両面から詳細を明らかとした。この中で、スマートゲルの含水率変化に同期して起こるゲート界面近傍での誘電率変化が信号変換原理として作用することを見いだした。これにより、従来法では原理的に不可能であった「デバイ長フリー」な分子検出や、電気的に中性な物質に対しても有効なFETに基づく分子検出法の開発に成功した。また、この原理に基づくと、FET法は、「荷電変化」と「誘電率変化」に対する二重応答性を呈することとなるが、これを活用した新たなケモメカニカル検出システム(原理)を実証した。すなわち、FETゲート上にカルシウム応答性のゲル薄膜を導入し、カルシウムに応答してゲルが体積変化する際の各要素反応(カルシウムイオンの拡散、ゲル内への水の流入)の動力学を、それぞれ独立に、FET単独によつて可視化できることを明らかとした。さらには、ゲート上に導入するゲルの幾何学構造を制御することで、高分子ゲルの応答動力学に基づき、得られる電気信号のパターンを様々にデザインできることを明らかとした。これらの現象を拡張すると、化学的または力学的には一方向性の入力に対して電気的には振動的なアウトプットをもたらしうるため、新たな「化学-力学-電気シグナル変換」のための原理構築の観点からも注目される。
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Research Products
(12 results)