2010 Fiscal Year Annual Research Report
半導体/生体分子ナノ界面の構築と遺伝子トランジスタへの応用
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
20106013
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宮原 裕二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (20360399)
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Keywords | バイオトランジスタ / 刺激応答性ゲル / 信号変換 / 動的界面 / デバイ長 |
Research Abstract |
本研究では、半導体技術により製作した電界効果デバイスを用い、検出部となるゲート絶縁膜表面にオリゴヌクレオチドプローブを固定化して、その分子認識反応に伴う物理化学的パラメータの変化を検出する方式の遺伝子解析デバイスを提案している。本デバイスでは、蛍光分子のような標識を必要とせず、分子認識反応を電気シグナルとして検出でき、さらには、半導体微細加工プロセスにより検出部を一つのチップに高密度に集積化可能であることから、高スループットの遺伝子解析用デバイスとなることが期待される。従来の遺伝子トランジスタはDNAの電荷を直接検出していたため、ゲート絶縁膜/溶液界面の電気二重層がその応答に多大な影響を及ぼしていた。電気二重層幅(Debye長)の制限のため、短塩基長DNAの検出に限られていた。本提案では、ゲート絶縁膜表面にソフト界面を構築し、Debye長に依存しない長鎖DNAの検出も可能な遺伝子トランジスタを創製する。 上述の検出距離制限を克服した検出を可能とするため、「信号伝達素子」としての動的ナノ界面の創出に取り組んできた。その結果、当初の申請では検出対象としてDNAのみを考えていたが、動的界面による誘電率変化の検出原理が、中性分子も含むより多様な生体分子にも拡張可能であることを見出した。この知見に対して、DNAのみではなく、糖鎖や蛋白質も視野に入れて研究を推進すべきと考え、現在はこれらも検出対象としている。 平成22年度は、「スマートゲル」と呼ばれる刺激応答性のFETゲート上へ製膜した高分子ゲルを信号変換層とする研究に着手した。レクチン-糖や抗原抗体反応といった生体分子間相互作用を駆動力として体積を変化する高分子ゲルの合成および信号伝達素子としての物性評価を行った。
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Research Products
(8 results)