2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Development of molecular simulation algorithms for enhancing structural fluctuations and for accurate free-energy calculations
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
20107002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
OKAMOTO Yuko Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (70185487)
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Project Period (FY) |
2008 – 2012
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Keywords | 生体系 / 分子シミュレーション / 拡張アンサンブル法 / 自由エネルギー計算 |
Research Abstract |
生体系のような多自由度複雑系では、系にエネルギー極小状態が無数に存在するために、従来の分子シミュレーションでは、初期状態の近傍に留まってしまい、系の本来の熱的なゆらぎを再現するのは至難の業である。拡張アンサンブル法はこのような従来の手法の困難を克服するシミュレーション手法である。よって、大きな構造ゆらぎを実現することができるばかりでなく、幅広い温度領域において、精度の高い熱力学量の計算が可能である。本研究においては、以下のような計画で研究を推進する。 (1)現在、生体系の分子シミュレーションの分野で最も広く使われている拡張アンサンブル法である、マルチカノニカル法、焼き戻し法、レプリカ交換法とそれらの多次元への拡張版を更に発展させた手法の開発を目指す。また、これらの手法を実際の実験系に適用した共同研究を進める。 (2)本申請では、精度の高い自由エネルギー計算が重要であるが、以前、申請者らが開発した、レプリカ交換アンブレラサンプリング法という拡張アンサンブル法が自由エネルギー計算に有効なので、この手法を駆使する。これにより、大きな構造ゆらぎばかりでなく、ある反応座標に沿ったランダムウォークを実現することができ、反応座標の関数である自由エネルギー(平均力ポテンシャル)の正確な計算ができることになる。これらの強力な拡張アンサンブル法や新規に開発する手法、そして、より基本的なレプリカ交換法やマルチカノニカル法などを適用して、様々な自由エネルギー計算を実行して、実際の実験結果の再現を目指した共同研究を推進していく。
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[Book] Springer-Verlag, Berlin2009
Author(s)
Y.Okamoto
Total Pages
61-95
Publisher
Generalized-ensemble algorithms for studying protein folding in Water and Biomolecules(K.Kuwajima, Y.Goto, F.Hirata, M.Kataoka, and M.Terazima, (eds.))
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