2008 Fiscal Year Annual Research Report
非天然アミノ酸の部位特異的導入技術を用いたタンパク質の揺らぎ解析
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
20107005
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
芳坂 貴弘 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (30263619)
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Keywords | タンパク質 / 非天然アミノ酸 / 揺らぎ / 4塩基コドン / 無細胞翻訳系 / マルトース結合タンパク質 / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 一分子測定 |
Research Abstract |
本研究では、4塩基コドンを用いた非天然アミノ酸のタンパク質への部位特異的導入技術を用いて、2種類の蛍光標識アミノ酸をタンパク質の特定部位へ導入することで、タンパク質の構造揺らぎを蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を用いて計測することを試みる。また、20種類の天然アミノ酸以外に、多種類の非天然アミノ酸のタンパク質への導入系を確立し、揺らぎに対するアミノ酸置換の影響を系統的に制御できるシステムを開発する。そのために、マルトース結合タンパク質、および、カルモジュリンを用いて、N末端領域にFRETドナーとなる蛍光標識アミノ酸を、タンパク質内部部位にFRETのアクセプターとなる蛍光標識アミノ酸、あるいは非蛍光性アミノ酸を導入して、実際に導入部位に依存してFRETが観測できることを確認した。また、光安定性の高い蛍光基を使用することで、一分子蛍光測定によるこれらの二重蛍光標識タンパク質の構造変化に伴うFRET効率の変化、および、蛍光相関分光分析(FCS)の解析を予備的に行なった。さらに、大きな蛍光基をタンパク質内部に導入する際の周辺アミノ酸配列の最適化や、N末端やC末端に蛍光標識アミノ酸を効率的に導入する新規手法の開発など、蛍光標識アミノ酸の導入法の改善も行なった。また、非天然アミノ酸の導入効率を迅速に測定するための手法として、緑色蛍光タンパク質(GFP)に非天然アミノ酸を導入してその発現をリアルタイムに蛍光検出できる方法を確立した。
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