2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜及び人工膜の揺らぎが関与する制がん機能メカニズム
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
20107007
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
上岡 龍一 Sojo University, 生物生命学部, 教授 (70099076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 陽子 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (00133562)
後藤 浩一 崇城大学, 生物生命学部, 准教授 (30279377)
田上 修 崇城大学, 生物生命学部, 助教 (10343716)
市原 英明 崇城大学, 生物生命学部, 技術員 (70369114)
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Keywords | リボソーム(複合脂質膜) / 癌 / 細胞膜 / 揺らぎ / アポトーシス |
Research Abstract |
カチオン性脂質を含有する三成分系ハイブリッドリポソーム(HL)を新たに創製し、ヒト腎臓がん細胞に対するin vitroでの制がん効果を検討した。50パーセント増殖抑制濃度から、腎臓がん細胞に対する高い増殖抑制効果が明らかになった。正常ヒト腎臓細胞に対しては、低毒性であった。TUNEL法から、腎臓がん細胞に対してアポトーシスを誘導することが明確になった。さらに、溶血試験からは、血液毒性はなく安全であることが確認できた。(Biol. Pharm. Bull., 31, 1816(2008)) 高ガストリン血症による自然発症胃腫瘍コトンラットから胃がん細胞株(CoRa 622 G6)を樹立した。リン脂質DMPCおよび非イオン性界面活性剤C12(E0)n(n=21,23,25)からなるHLは、胃がん細胞の増殖を抑制することを明らかにした。蛍光顕微鏡により、HLが胃がん細胞膜に融合・蓄積することを明確にした。Annexin-VおよびTUNEL法によりHLは胃がん細胞に対してアポトーシスを誘導することを始めて明らかにした。(薬誌,128,1485(2008)) リン脂質DMPCと非イオン性界面活性剤C12(E0)23からなるHLは、ヒトBリンパ腫(RAJI)細胞に対して顕著な増殖抑制効果を示し、フローサイトメーター、アガロース電気泳動法およびTUNEL法によりアポトーシスを誘導することが明確になった。in vivoにおいてRAJI細胞移植がんモデルマウスに対して顕著な延命効果が得られ、正常ラットに対する安全性を確認した。さらに、臨床応用において副作用の無い固形腫瘍の縮小効果と延命効果が確認された。(Anticancer Res., 28, 1187(2008))
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