2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子および溶媒の構造揺らぎと共役した機能発現過程の理論的解明
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
20107008
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
平田 文男 立命館大学, 生命科学部, 教授 (90218785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 紀生 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10390650)
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Project Period (FY) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 3D-RISM/RISM / 蛋白質構造揺らぎ / 分子認識 / 自由エネルギー / 一般化ランジェヴァン理論 / 分散・共分散行列 / 知的創薬 / 化合物スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
酵素反応やイオンチャネルなど蛋白質の機能発現においては基質分子を蛋白内に取り込む過程(分子認識)が重要であるが、このプロセスは単に「鍵と鍵孔」のような機械的な適合過程ではない。分認識過程に蛋白質の平衡構造周りの時間的・空間的揺らぎが関わっていることは共通認識になりつつある。本研究では蛋白質の構造揺らぎと共役した分子認識過程を記述する理論を構築することを目的して、下記に列記する4つのサブ課題に関して研究を遂行してきたが、最終年度は、特に、4番目のサブ課題に関して、新しい理論を提案した。 1.分子認識の統計力学理論(平衡論)の構築、2.分子認識の統計力学理論(平衡論)の「知的創薬」への応用、3.3D-RISM/RISM理論と分子動力学シミュレーションの結合による自由エネルギー曲面上での蛋白質構造ダイナミクス理論の構築。
4.3D-RISM/RISM理論と一般化ランジェヴァン理論の結合に基づく、「蛋白質構造揺らぎ」理論の提案。 この理論はその蛋白質の構造ダイナミクスの式に平衡構造からの変位に比例する復元力を表す項を含んでいるが、その係数(「力の定数」)は構造揺らぎの「分散・共分散行列(揺らぎの相関)」の形式をもつ。我々は、この「分散・共分散行列」を3D-RISM/RISM理論から得られる自由エネルギーの蛋白質原子座標に関する2階微分として求める道筋を示した。本理論はこの分野を過去1世紀の間支配したきたランジェヴァン方程式に基づく描像を一般化ランジェヴァン理論に基づく分子論で置き換えるものである。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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